ジョニー・マー、ザ・スミスの解散理由について語る

ザ・スミスのモリッシー(右)とジョニー・マー(左)、1983年撮影(Photo by Clare Muller/Redferns)

Rolling Stone Music Nowの最新ポッドキャストでキャリアを振り返るインタビューを受けたジョニー・マー。話の途中で、ザ・スミスの解散についても触れている。最新ソロ・アルバム『Call the Comet/コール・ザ・コメット』やモデスト・マウス時代についても語った。ここではザ・スミスについて話した箇所を抜粋してお届けする。

―噂では、あなたがバンドを脱退するという間違ったニュースがザ・スミス解散の発端で、それがバンド内に誤解と不和を生み、実際にあなたに脱退する決意を促した、と言われています。これは本当の話に思えないのですが。

あのバンドの解散劇を理解するには、解散劇に特化した本が一冊必要なくらいだし、俺はそんな本を書くつもりはないし、そんなことをしたいヤツなんていないだろう……。まあ、その本を読みたいって連中はいると思うけどな。

―その本を読みたい人はたくさんいると思いますよ。

内情を知らない連中が何度も本を書こうとしたから、うん、そうだろうな。まあ、誤解が原因の一つではある。そうだろ? でもさ、誤解だけで解散するバンドなんてないぜ。つまり、終わらせるだけの理由があったってこと。俺は自分が作ったバンドから脱退したことはないし、誤解くらいでそんなことはしないよ。だろ? あの解散は避けられなかったのさ。俺も解散以外の選択肢がないって気分になっていたし、あれはあれでいい。うん、あれで正解だけど、もちろん、かなり悲しかった。とはいえ、ああなる運命だったんだよ。

―どうして避けられなかったのですか? あなたは一生懸命活動していたじゃないですか。それが他のメンバーの不満を買うことはあるとしても……。

ああ、そうだな、もしかしたらそれが原因かも知れないな。俺にはよく分からないけど。そんなふうに感じた時期っていうのが、俺の人生のどこかであったんじゃないかな。今はそんなふうに思わないけど、今の俺は、そうだな、一人の大人として、何かに終わりが近づくとあらゆる災難に見舞われるって思っているよ。恋愛関係や仕事の状況に照らし合わせると、みんな、俺の言っていることが理解できるはずさ。それこそ、今住んでいるアパートから出ていきたいと思うだけで、そのアパートがイヤになるだろ? つまり、物事なんてその存在価値や意義がなくなった途端に崩壊し始めるってこと。成熟した大人として、物事が起こる理由を俺はそんなふうに考えている。そうなる運命じゃなければ、機械の歯車が壊れて動かなくなるように止まるだけさ。円満さが失われる。バンド内の人間関係は恋愛関係と大差ない。恋愛じゃなくて仕事ってだけでね。避けがたい人生の現実ってやつだよ、たぶん。

―つまり性格の問題だったのですか? それとも……。

ああ、そうだ、今言ったこと全部だ。うん、今言ったこと全部で、全員違うってだけ。そうだろ? 性格の違いっていうのは興味深い化学反応を起こすこともあるけど、逆に物事が上手く行かなくなると、この性格の違いが必然的に状況を悪化させるって俺は思う。それと同じで、俺とモリッシーが描く未来像が違っていただけだよ。

―どんなふうに違っていたのですか?

俺は、あのバンドの後で、グループの中でプレイしている自分は思い描いていなかった。

―また回りくどい言い方ですね

まあ、だってほら、俺はすぐにサウンドチェックに行かなきゃならないんだよ。これから5時間ここで取材を受けるのはゴメンだぜ(笑)。

Translated by Miki Nakayama

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