エド・シーランやチャンス・ザ・ラッパーとの仕事で知られるインディー音楽のディストリビューター、Dittoが史上初の試みとなる自社のマネージメント会社設立に踏み切った理由とは?
エド・シーラン、ストームジー、チャンス・ザ・ラッパー等とタッグを組んできたインディー音楽のディストリビューターDitto Musicは、過去10年間で確かな存在感を示してきた。さらなる飛躍を目指す同社の次なる一手は、音楽業界の未来を占うものだ。先週、Ditto Musicはインディー音楽のディストリビューターとして初めて、アーティストのマネージメント会社を設立した。
イギリスに拠点を置く同社が新たに設立したDitto Managementには、現時点でBig Zuu、DJ Nathan Dawe,、R&BシンガーのBobbi Lewis、 シンガーソングライターのNathan Brooks等、世界各国のアーティストたちが名を連ねている。Dittoの代表取締役を務めるLee Parsons氏は、同社が2006年にインディー音楽のディストリビューターとしてスタートして以来、「大きな可能性を秘めたアーティストの数々をみすみす逃してきた」と本誌に語った。彼はマネージメント会社の設立というアイディアを、過去数年間にわたって温め続けてきたという。「素晴らしい才能を持ったアーティストと出会いながら、ディストリビューションの面でしか関われないことを歯痒く思っていました。彼らがどこかのマネージメント会社と契約を交わすのを、指をくわえて見ているしかなかったんです。とはいえ、アーティストのマネージメントは流通業務とはまったく異なるため、我々はロンドンで一番と言われるマネージャーを探すことから始めました」
彼らが白羽の矢を立てたのは、イギリスに拠点を置くJem Music GroupでA&Rを務めていたMatt Dodds氏だった。彼が指揮を執るDitto Managementは独立組織であり、Ditto Musicに流通業務を委任するアーティストは任意で同社のサービスを受けることができる。「Dittoを通じてオリジナル曲をSpotifyやApple Musicで配信するアーティストたちの中から、大きな可能性を秘めた存在を発見すること。それが我々の狙いです」Dodds氏は本誌にそう語っている。「ディストリビューターであっても自身のマネージメント会社を持っていれば、次なるエド・シーランやサム・スミスをいち早く発見した際に、その才能を自らの手で育てることができるというわけです」