80年代のヴェニス。ドッグタウン・スケートボードにスイサイダル・テンデンシーズ。No Mercy、Excel、ベオウルフといったバンドたち。そのグラフィックの多くを手がけたのがリック・クレイトンだ。スイサイダルの1stアルバムのジャケットの手描きシャツもほとんどがリックが手がけたもの。彼自身もバンドマンで、No Mercyではベースを担当していた。彼の描くスカルはこのカルチャーのアイコンとなり、ストリート・カルチャーの走りであるヴェニスが今また評価が高まる中、リックの作品集も昨年出版されることとなった。
ー昨年出版されたアート作品集『Welcome to Venice』について聞かせてください。ブライアン・レイ・ターコット主宰のKill Your Idolsからの出版ですが、2013年にブライアンがドキュメンタリー映像の制作をやっていた時に、リックのことを取材していましたよね。リック ヴェニスのバンドのExcelがDestroy L.A.(註:2013年5月にLAで開催されたハードコア・フェス)の前夜祭でライブをやった時に、俺のアートショーも同時開催で行われたんだ。レイとはそこからつながって、俺の作品集を出してくれることになったんだけど、2~3年かかったね。昔の絵を探したり、新しい絵を描いたりしてたからね。作品集の出来にはスゴく満足してるよ。
©︎RIC CLAYTON©︎RIC CLAYTON©︎RIC CLAYTON©︎RIC CLAYTON©︎RIC CLAYTONー作品集を出した後の周りの反応はどうですか?リック スゴく良いね。たくさんの人が手に取ってくれてるんだ。昨年5月には、LAのダウンタウンでイベントもやった。スケーターもたくさん集まって、クリスチャン・ホソイもいたし、エリック・ドレッセンを始めとしてヴェニスのスケーターもたくさん来てくれた。バンドのExcel、The Shrineのライブもあったんだ。
ーそれはBeyond The Streets(註:昨年LAで行われた一大ストリート・アート展)の一環として行われたものですか?リック そうそう、その時のイベントなんだ。俺は出たばかりの作品集のサイン会をやったよ。けっこう大人気で、途中全く休めなかったくらいだ。20代から50代までいろんな世代の人たちが来てくれた。その会場はヴェニス・ビーチのパビリオンを再現したものなんだ。ランプもあって、みんながスケートしてた。スゴくクールだったよ。
ー作品集の中には、ジェイ・アダムスの写真にリックがアートでコラボしている作品が収録されていますよね。あれは90年代に出ていた、ヴェニスのスケーターのカレンダーに入っていた作品ですよね。リック そうだよ。91年だね。ヴェニスのスケーターを集めたタトゥーのカレンダーなんだ。カッコいいカレンダーだったから、その後も続けてたら良かったと思うよ。