「私のママは今とてもがんばってるの。ママはいわゆる大人の問題を抱えているの」と、緑色のマペット、カーリーが視聴者に語りかける。
『セサミストリート』は今年初め、無料オンラインプログラム『Sesame Street in Communities』で、カーリーという緑色の毛をしたキャラクターを登場させた。6歳のカーリーは、理由は明かされていないが、養父母とともに引っ越してきたという設定。ニュース番組『Today Show』によると、次のエピソードではエルモの話として、カーリーの母親が、依存症と戦うために「しばらく遠くに行っていた」ことが判明するという。
「私のママは今とてもがんばってるの」とカーリーはある場面でこう語る。「ママはいわゆる大人の問題を抱えているの。大人の問題は、大人たちが協力して解決しなくちゃいけないの。それでママはしばらく遠くにいかなきゃいけなかったのよ」
「大勢の人々が大人の問題としてとらえ、子供への影響をあまり理解していない。そういった問題を、カーリーは身近なこととしてとらえる手助けをしてくれるのです」と、セサミワークショップで社会的影響と慈善事業を担当している部署の代表シェリー・ウェスティン氏は『Today Show』で語った。
カーリーと一緒に登場するのは、10歳のサリア・ウッドベリーちゃん。彼女の両親もオピオイド依存患者だった。オンライン限定の回で、サリアちゃんとカーリーは自分たちの親の「大人の問題」について話し合い、親の依存症は子供のせいではないことを強調する。各回の合間にはエルモの父親が登場し、依存症が病気であると説く。
「世の中には、小さな子供の視点から子供向けに薬物乱用を説明するものは他にありません」と、セサミワークショップのシニア・コンテンツマネージャー、カーマ・アインホーン氏はガーディアン紙に語った。「精神的に一番弱っている――もっともくじけそうになっている――親御さんも、子供と一緒に見れば少し気分が楽になるかもしれない。そうなれば幸いです」
カーリーとサリアの回は『Sesame Street in Communities』で英語、スペイン語で視聴可能。カーリーはHBOとPBSで放映されている『セサミストリート』にはまだ登場していないが、将来的には変わってくるかもしれない。