ポール・マッカトニー、ビートルズのカメラマンだったロバート・フリーマンを偲ぶ

ポール・マッカートニーのロバート・フリーマンへの追悼文(全文)

親愛なるロバート・フリーマンが他界した。ビートルズ時代、彼は私たちのお気に入りカメラマンの一人で、ビートルズの代表的なアルバム・ジャケット写真を撮ってくれた。最高のプロの仕事人だっただけでなく、彼は創造力が豊かで、オリジナリティに溢れた思考回路を持つ男だった。アルバム『ミート・ザ・ビートルズ』のジャケット写真のメンバーの顔が半分影に隠れているのは、スタジオでライティングを計算して撮った写真だと思う人が多い。実際、あの写真は滞在していたホテルの廊下でロバートが素早く撮影したもので、廊下の端にある窓から自然光が差していた。あの撮影は長くても30分くらいだった。

ボブ(訳注:ロバートの愛称)は『ラバー・ソウル』のジャケット写真も撮影している。彼はいつもスライド・プロジェクターを使って、撮影した写真をアルバムのサイズにカットした白い厚紙に投影して見せてくれた。これによって、私たちは最終形がどんな感じなのかを掴むことができた。厚紙を使っての写真の確認作業中に、小さなテーブルに立てたこの厚紙が後ろに傾いてしまい、投影された写真が「ストレッチ」したように見えたのだ。厚紙を立て直すことはせず、ロバートの写真の新しい見え方に私たちは興奮した。すると彼はそのままプリントできると確約してくれた。『ラバー・ソウル』というタイトルに完璧にマッチする写真だと思ったんだ。

この素晴らしい男がいなくなって寂しいが、これからも彼との楽しい思い出を大切にする。

ありがとう、ボブ。

Translated by Miki Nakayama

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