ジミー・ペイジは、14歳の少女に夢中だった? ジョン・ボーナムは死亡した夜にウォッカをショットで飲んでいた? など、レッド・ツェッペリンに関する狂気じみた噂を事実検証してみた。いまだかつてレッド・ツェッペリンほど伝説や虚報に満ちたバンドが存在しただろうか? インターネットが登場するはるか昔、ロック・スターの情報はほとんど入手できなかったため、(ドラッグで朦朧としたヤク中たち、ツェッペリンに取り憑かれた十代を含む)ファンはその大きな隙間を根拠のない噂話や、放蕩・悪魔・悪名高き魚類などをモチーフにした狂気じみた夢物語で埋めていた。さらにすごいのは、そのすべてが虚報ではない点だ。何が本当で、何が嘘で、何が嘘と真実の間かを、ここで検証してみよう。
1. 『レッド・ツェッペリンIV』の見開きジャケットに描かれている年老いた隠者は『指輪物語』の登場人物だった
噂の背景:レッド・ツェッペリンが『指輪物語』をとても気に入っていたことは誰もが知っていた。それが証拠に1969年リリースの楽曲「ランブル・オン」ではモルドールやゴラムを歌っている。そのため、彼らの4枚目のアルバムの見開きジャケットに、中つ国にいるようなマントを着てランタンを持ったミステリアスな人物を見つけたファンは、これをJ.R.R.トールキンの『指輪物語』の登場人物だと思い込んだ。
真実:この「隠者」はタロットカードの隠者にインスパイアされたものだった。1976年の映画『レッド・ツェッペリン熱狂のライブ』の幻想シーンではペイジが隠者の役を演じている。
2. 「デジャ・メイク・ハー」という曲名はジャマイカに関する古いコックニーのジョークに由来する
噂の背景:アルバム『
聖なる館』収録のこの曲の曲名を「ダイアー・メイカー」と発音すると思っている人が多いが、コックニー訛りで発音するとカリブ海に浮かぶある国の国名に近い音になる。
真実:プラントは「D’yer Mak’er」が古いコックニーのジョークから来ていると認めている。そのジョークは下記のようなものだ。
コックニーの男1:
嫁が休暇に出かけるんだ。コックニーの男2:
ジャマイカに行くのか? コックニーの男1:
いや、嫁が勝手に決めたのさ。上のコックニーの男2のセリフは英語では「Jamaica?」なのだが、早口で言うので「Did you make her?」(お前がそうさせたのか?)に聞こえるため、コックニー男1はそう解釈して「いや、嫁が勝手に……」と答えている。とは言え、この曲名でジャマイカ絡みのジョークを使っているのはレゲエ風な曲調と一致する。