IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカが抱く「プロレス」を担う覚悟

IWGPヘビーのベルトを巻く者が「プロレスラー」であり「プロレス」なんだ

─まさに王者の風格といいますか。そのような境地になったのは、いつごろからでしょう?

オカダ うーん。はっきり自覚できたのは、IWGPヘビー級の防衛記録(V12)を達成したあたりですね。最初にベルトを巻いた頃は自分のことしか考えてなかったけど、防衛を重ねるうちに、チャンピオンとしての責任感が芽生えたというか。

─「責任感」とは、具体的にどのような?

オカダ 簡単に言っちゃうと、世間一般を含めたお客さんにとってチャンピオンとは、すなわち「プロレスラー」であり「プロレス」なんです。つまり、チャンピオンがつまらない試合をすれば、プロレスってつまらないってことになっちゃうし、チャンピオンの言動が、そのままプロレスラーの言動として発信されちゃう。

─「プロレスラーは紳士であれ」という、古い格言もありました。

オカダ 逆に言えば、チャンピオンの言動や試合によって、プロレス界を盛り上げることもできるわけで。僕が現在保持している、IWGPヘビー級のベルトって、まさにプロレス界の頂点なんですよ。だから、僕にはプロレス界を盛り上げる責任があるんです。それが理解できたときから、自然と全体を見渡せるようになったのかな、と思いますね。


Photo by Shuya Nakano

─オカダ選手が、ダブル・タイトルマッチについて異議を唱えていた理由にもつながっているように思えますね。

オカダ それぞれのベルトが、しっかり異なる色というか価値を持っていて、それがお客さんに伝わっていればいいんですけどね。でも、今のインターコンチネンタルのベルトには、はっきりとした色がないから。それだと、初めてプロレスを観る人が「なんでいくつもタイトルマッチがあるの?」って混乱するじゃないですか。プロレスを広めるという観点でも、色がハッキリしていないベルトは無意味だと思いますよ。

─となると、仮に5日のダブル・タイトルマッチでオカダ選手が勝った場合には、インターコンチネンタルの封印という展開も……。

オカダ そこは、まだ何とも言えないですね。さっきも言いましたけど、今は4日のIWGPヘビー戦のことしか考えてないですから。ひょっとしたら、5日のタイトルマッチで、僕がインターコンチネンタルのベルトに新たな色をつけることができるかもしれないわけですし。そうなったら、むしろIWGPヘビーより愛着が湧いちゃったりするかも(笑)。その答えを、ぜひ東京ドームで観てほしいですね。

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