来日公演にも影響及ぼすコロナウイルス、ストームジーはアジア・ツアー延期

ストームジー(Photo by Joseph Okpako/WireImage)

イギリスのラップスター、ストームジーが、コロナウイルスの爆発的な感染拡大による渡航と健康面での問題から開催が迫るアジア・ツアーを延期。欧米のメジャーなアーティストでは初のウイルスによる公演見送りとなった。

ストームジーは最新作『Heavy Is the Head』に伴うツアーとして3月にマレーシア、シンガポール、日本、中国、韓国での公演が予定されていた(うち3公演は既にソールド・アウト)。延期が予定されているが、それがいつになるのかは定かではない(編注:日本公演は11月5日、新木場STUDIO COASTへと会場を変更して開催予定)。

Instagramにて「俺は『HITHワールド・ツアー』をアジアに持っていけるのも、最高のソールド・アウト・ショーをやれるのも本当に楽しみにしていた。でもコロナウイルスによる渡航面と健康面での懸念から、残念だけどツアーの一部を延期しなくてはいけなくなった」とコメントしている。

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米ローリングストーン誌はコメントを求めたが、ストームジーの代理人からの回答は今のところ得られていない。

コロナウイルスの猛威を受けてアジアでの公演がキャンセルされたのはこれが初めてではないが、その中でストームジーは間違いなく一番のビッグ・アクトである。なお1月下旬にはボストン交響楽団が有名ピアニスト、イェフィム・ブロンフマンとのアジア・ツアーを中止する旨を発表している。

これまでのところ、コロナウイルスの感染拡大はアジアのトップ・アーティストに大打撃を与えており、彼らは中国、韓国、シンガポール、香港、マカオでの公演を中止せざるを得なくなっている。公演をキャンセルしたのはテヨン、ウィナー、NCT、GOT7らK-POPのメジャー・アーティストと広東ポップのスーパースター、アンディ・ラウだ。

"K-POP+J-POP:最新の世界的現象を紐解く"という、コンサート業界誌ポルスターの最新の会議において、「興行産業はどのようにコロナウイルスに対処すべきか?」という米ローリングストーン誌の質問に対しミュージック・ツアー・マネジメントのスティーヴ・ディクソンが以下のように回答した。「当面の間は全てのアーティストがアジア・ツアーを中止すべきだ。人々は状況がどう転ぶか見守っている。もしアジア・ツアーを待つ人がいるのにアーティスト側が敢行不可能になれば、多くの人々が他の地域へ旅行することになるだろう。アジア・ツアーが出来ない間、アメリカや南米、ヨーロッパに渡ることになるだろうね」

グローバル・ミュージック・マネジメントのアシュリー・チョイは「そうなれば更なる感染拡大が――SARSやMERSのように――なされるだろう。アーティストは興行をしばし止めて、活動をスケジュールし直すことになる。政治でも一緒だ。中国が国境を閉めた時、日本と中国は同じことをした。波に乗るのに慣れているんだ」と付け加えた。

コロナウイルスの伝染は中国の都市武漢で始まり、そこから24の国に広まった。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、6万人200人以上に感染、少なくとも1368人が死亡している。

Tlanslated by Sakuno Seike

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