ローリング・ストーンズ、1968年の「無情の世界」初ライブ演奏を振り返る

1968年、「ロックンロール・サーカス」でライブを披露するローリング・ストーンズ(Photo by Mark and Colleen Hayward/Redferns)


第1回目のライブ演奏は1968年12月11日に「ロックンロール・サーカス」スペシャルの収録時に行われた。このショーには、ジェスロ・タル、ザ・フー、タージ・マハル、マリアン・フェイスフルなど錚々たるメンバーが集った。さらにジョン・レノン、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ、ミッチ・ミッチェル、オノ・ヨーコ、イスラエル人ヴァイオリニストのイヴリー・ギトリスで結成した一度きりのスーパーグループ、ダーティー・マークも登場した。



今回紹介する「無情の世界」のビデオはその番組で演奏されたもので、ストーンズ以外にピアニストのニッキー・ホプキンス、パーカッショニストのロッキー・ジジョルヌも参加している。また、ここでのライブ演奏がストーンズでブライアン・ジョーンズが演奏する最後の姿で、ジョーンズはこの7カ月後に死亡した。ビデオの最後の方ではジョン・レノンとオノ・ヨーコが明るい色のケープをまとって、観客と一緒に歌っている姿も見える。

この映画はしばらくの間お蔵入りしており、全編が公開されたのは1996年にDVD化されたときだった。お蔵入りしている間にリリースされない原因があれこれ囁かれたが、ミック・ジャガーが終日続いた撮影で疲労困憊になり、収録された演奏のクオリティが標準以下になったと感じたことが一番の理由だと言われている。また、ジャガーは強烈な「ア・クイック・ワン」を演奏したザ・フーに注目を奪われたと感じたとも言われてきた。もしかしたら、ステージ上のブライアン・ジョーンズが蔑ろにされる侘しいイメージも原因の一つだったかもしれない。

現時点でストーンズが再びライブを行なう時期を予測するのは不可能だ。医療専門家たちが口を揃えて、国内を元の状態に戻したいのであれば大勢が集まる状況を作らないことが一番だと言い続けている。ローリング・ストーンズのコンサートに集まる人数以上に集まるような集会などほとんどない。ということは、新型コロナウイルス発生以前の状態に戻ったことを確認する究極の方法が、ストーンズのツアーが再開されることとも言える。

そのとき、チャーリー・ワッツは80歳台に突入するのだが、今回のイベントで彼が見せたエアドラムに惑わされてはいけない。今でも彼は2時間のライブでパワフルに演奏し続けているし、演奏後の最後の挨拶で息切れする姿を晒したことは一度もない。ストーンズが再びステージに立つとき、ワッツは確実にそこにいる。そして、エアではなくリアルなドラムを叩くのだ。

Translated by Miki Nakayama

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