1960年代のエルヴィスは、どう映画の世界から音楽に回帰していったのか




1965年に公開された映画『フロリダ万才』から「Do The Clam(邦題:スイムでいこう!)」、そして1965年の映画『いかすぜ!この恋』から「It Feels So Right(邦題:いかすぜ,この恋)」でした。どうしてこういう邦題になったんでしょう(笑)。なんでこの2曲を選んだかというと、当時スイムというリズムが流行ったんです。この曲のリズムがスイムということで、「スイムでいこう!」という邦題になったんでしょうね。日本でもスイムはそれなりに流行りました。橋幸夫さんが1965年6月に「あの娘と僕(スイム・スイム・スイム)」という曲を出しました。作曲は吉田正さん。映画『いかすぜ!この恋』は、挿入曲が全て既発曲、ファンのリクエストで選ばれた曲だけを集めて作られた作品なんですね。大滝詠一さんは「いかすぜ!この恋」という曲を作りましたね。歌詞が全部エルヴィスの曲タイトルだったということもあって、この曲をお聴き頂いたわけです。1964年の映画『青春カーニバル』までは僕も内容を覚えているんですが、『フロリダ万才』と『いかすぜ!この恋』は、観たんだろうけど、あまり覚えてないんですね。もういいやって思い始めた時だったなとは改めて思いますけど。さっき少しお話したんですが、高校2年生の時のホームルームで「エルヴィスVSビートルズ」で討論会をやったんですね。時代はもうビートルズだと分かっていたんですけど、こういう時はエルヴィスに義理立てしないといけなくて(笑)。僕はエルヴィス派の1人として、エルヴィスを弁護したんですね。言うに事欠いて、エルヴィスは母親想いだ、皆が思っているような人間じゃないんだ、という話をした記憶がありますね(笑)。でも、時代はもうビートルズだなと思っておりました。そういうシングルカットされた曲の中でも、以前のアルバムから選ばれた曲がありました。次にお聴きいただく曲もそんな曲です。最初にお聴きいただくのは、1960年に発売になった教会音楽のアルバム『His Hand In Mine(邦題:心のふるさと)』の中の「Joshua Fit The Battle (邦題:ジェリコの戦い)」。これが1966年にシングルになったんです。もう1曲は、1960年にレコーディングされて1965年にシングルカットされ、3位になった曲です。「Crying In The Chapel (邦題:涙のチャペル)」。

Rolling Stone Japan 編集部

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