浜田省吾ファンクラブツアー映像、板屋宏幸監督とともに振り返る

ベイブリッジセレナーデ / 浜田省吾

田家:板屋さんは今日パソコンを持参しておりまして、喋りたいことをたくさん書いてきて画面を見ながらお話をされております。この後もたくさんお話がありそうですね。

板屋:なんでバラしちゃうんですか(笑)。まだ半分くらいしか喋れてないですからね。この曲は、僕が初めて編集したものだと思うんです。せっかくライブCDから聞いてもらえるので、滅多に聴くことがない曲を選んだんです。ラジオで映像の話をして申し訳ないんですけど、この曲でステージ衣装が変わるので、浜田さんから「この曲の前後に横浜とかベイブリッジの映像を載せたらどうだろう」という提案があって。でもリアルだとギャップがあるから、セットの絵のテイストのイラストでベイブリッジを入れようかなと考えていたんです。とりあえずは尺を計算しないといけないので、ベイブリッジの写真を仮で置いてみたんです。皆でそれを見ていくうちに、これでいいんじゃないかな? という話になってきて。そこから埠頭の絵を入れたりして形になりました。MA(Multi Audio)作業の時に、どっちの方から汽笛が聞こえてくるだろうとか考えて。

田家:なかなか楽しい編集でしたね。ライブアルバムとしてラジオに流れることってあまりない曲ですよね。『Shogo Hamada Official Fan Club Presents "100% FAN FUN FAN" On The Avenue 2013「曇り時々雨のち晴れ」』から、「ベイブリッジセレナーデ」をお聞きいただきました。

I am a Father / 浜田省吾

田家:2005年のシングルで、アルバム『My First Love』収録。これを選ばれたのを見て、意外だと思ったんですよ。なぜかというと、ファンクラブツアー「100% FAN FUN FAN」は、「ON THE ROAD」ではあまりやらない曲が多いでしょう。なので、こういう定番曲が入ってるのは意外でした。

板屋:そうですね。基本はライブバージョンで聞いたことがない曲、しかも僕が好きな曲という基準で選んだんですけど、この曲は皆が好きな曲で、勇気がもらえるのでいいかなと思って選びました。

田家:あまり流れないような曲ばかりかけるのではなく、自分の好きなものを皆で楽しみたいという気持ちがあっての選曲なんですね。

板屋:そうですね。あと、僕がこの曲で覚えているのが、この曲で編集のゾーンに入ったんですよ。後半のとある箇所で、メンバーの素晴らしいワンカットを見つけて、これだけは死守しようと思ったんです。そのカットが入ることによって、その後のカットの並びが川の流れのようにどんどん決まっていくんですよ。なので、普段だったら取っ替え引っ替えしたりするんですけど、そのカットのおかげで前の部分も変わるんです。この嬉しさはおそらく僕にしか分からないと思うんですが、その後の流れも淀みがなくなる感じがして、ゾーンに入って。それがとても印象的だった曲なんです。

田家:ちなみに、それは浜田さんからそのカットは止めようと言われなかったですか?

板屋:大丈夫でした。切られそうなカットでもなかったんですけどね。

田家:それはどこのカットなんでしょう?

板屋:大サビがあってギターソロがあって、またサビに戻るんですけど。僕が見つけたのは、その中でのホーンセクションのカットです。見ればすぐ分かると思いますよ。清岡太郎さん、佐々木史郎さん、古村敏比古さんのスリーショットなんですけどね。このカットを見つけた時に「やった!」と思いましたね。

田家:そうやって編集しているんだと聞けただけでも、今日の放送は意味があったんだと思いました。板屋さんの次の曲ですが、この曲を選ばれたのは?

板屋:「ベイブリッジセレナーデ」と同じように印象的な編集の曲だったからです。

田家:しかもライブバージョンとして流れることもあまりない?

板屋:そうですね、年末にもふさわしいと思った一曲です。

Rolling Stone Japan 編集部

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