テレビ収録で連続殺人を「自白」してしまった米富豪、仮釈放なしの終身刑に

2021年8月9日、米カリフォルニア州イングルウッドで行われた公判で、証言台に立つロバート・ダースト被告(Photo by Gary Coronado/Los Angeles Times/Pool/AP)



2001年に隣人男性を殺害しバラバラにして遺棄

ロサンゼルス郡の陪審員は4か月にわたって70人以上の証人から証言を聞き、第1級殺人罪でダースト被告に有罪を言い渡した。また「身を潜めていた」被告が別の犯罪、すなわちキャシーさん失踪事件での目撃者を消すためにバーマンさんを殺害したという容疑でも有罪とした。

「私も、私のかわいい息子も、非凡で聡明で忘れがたい人を奪われました。彼女は55歳で無残にも命を奪われました」。バーマンさんの従姉妹デニ・マーカスさんは14日に法廷でこう語り、バーマンさんは「まぎれもなく人々の記憶に残る」「かけがえのない人」だと言った。

バーマンさん殺害で何年も起訴を逃れていたダースト被告だったが、2015年に彼の半生を描いたHBOのドキュメンタリー『The Jinx: The Life and Deaths of Robert Durst』がきっかけで逮捕された。番組の最終回で衝撃の「自白」が流された。自身が犯人であるという疑惑を否定していたダースト被告だが、トイレで「俺が何をしたかって? 全員殺したんだよ」と独り言をつぶやいたのだ。その後、ともすればお蔵入りになっていた事件をロサンゼルス当局が再捜査することになった。ダースト被告は逃亡したが、ルイジアナ州でバーマンさん殺害容疑により逮捕された。警察は所持品の中から拳銃1丁と現金4万5000ドル、そして散切り頭の白髪のカツラがついたゴム製マスクを発見した。

2001年、ダースト被告はガルベストンで隣人のモーリス・ブラックさんを射殺し、死体をバラバラにした。彼は銃をめぐってブラックさんともみ合いになり、自己防衛で射殺したと主張し、無罪を言い渡された。ダースト被告の供述によれば、酒でパニック状態になったため、ブラックさんの遺体を切断して遺体の一部をガルベストン湾に捨てたという。バーマンさん殺害の公判では、証拠から排除するよう求める被告弁護士の訴えもむなしく、陪審員は切断された遺体のおぞましい写真を目にした。ルーウィン検事補によれば、バーマンさん殺害後逃亡していた被告の正体をブラックさんが突き止めたため、ダースト被告は彼を殺害したという。

弁護側の証人としてダースト被告は延々とおかしな証言を展開し、遺書を書いたことは認めたが、バーマンさんの遺体は偶然発見しただけで真犯人はわからない、と主張した。陪審はこの話を取り合わず、わずか7時間ほどで全員一致の有罪評決に達した。

ウィンダム判事はダースト被告の証言を「きわめて信じがたく、有罪を示すもの」と一蹴した。キャシーさんの親族は陳述を要請されていなかったが、判事は遺族の「心痛」が理解できると述べ、遺族に「平穏」を祈願して量刑審理を終えた。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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