子役へのセクハラ疑惑、米俳優「性的意図なかった」

その他の告発者たちの主張

書面には、スペイシーが「他の人物にも働いた」と思われる「身勝手な同意のない性行為」も取り上げられている。とくに注目なのが、同じくスペイシーを告発しているジャスティン・ドーズさんのケースだ。彼は1988年、スペイシーからコネチカットの自宅でのパーティに招待されたと主張している。ドーズさんはこの時16歳、スペイシーは29歳だった。

ドーズさんはラップの裁判でも証言することに同意し、昨年12月にはZoomでの証言録取にも応じた。裁判所に提出された証言録取の抜粋によれば、ドーズさんは宣誓下で次のように証言している。彼は友人とともにスペイシーに誘われたが、大規模な社交的な集まりだと思っていたものの、実際は自分たち3人だけだった。近くのテレビでゲイポルノが流れる中、スペイシーは2人にアルコール入りのカクテルを2杯ずつ渡したという。友人がトイレに行こうと部屋を出ると、スペイシーが近づいきてソファに座り、ドーズさんの身体に触った、と彼は証言した。

「途中で彼の手が僕の足の上に置かれました。少し気持ちが悪いなと思いました」 録取によれば、ドーズさんはこのように証言した。「なんとなくですが、性的目的でさぐりをいれるというか、僕が気にするかどうか確かめているようでした。自分がどんな反応をしたのかはよく覚えていません。僕は――ただなんというか、固まっていました」。他にパーティの客が現れないことに気づいたドーズさんと友人は、すぐにその場を立ち去ったという。

ラップの申し立ては、USA Today誌で最初に報じられた別の告発者アンドリュー・ホルツマンさんのケースにも触れている。これまでのホルツマンさんの主張によれば、1981年夏ニューヨークのシェイクスピア・フェスティバル公開劇場の事務室にいた時に、スペイシーから無理やり触られたそうだ。ラップの申し立てによれば、スペイシーはホルツマンさんの股間を掴み、「自分の性器をこすりつけ」始めたそうだ。

「まともな人間なら、ホルツマン氏やドーズ氏に対する被告人の性的行為からも、ラップ氏に対する被告人の行為も性的快楽を満たすことが目的だったと推測できる」と、略式裁判に対するスペイシーの申し立てに弁護人は反論した。

先月、裁判所はドーズさんの証言の差し止めを求めるスペイシーの請求を却下した。裁判所いわく、ドーズさんが当初BuzzFeedの記事でスペイシーが膝の上に手を乗せたことには言及していなかったのは事実で、ドーズさんの友人の話も「ドーズ氏の告発を裏付けるとは思われない」ものの、証言を除外するべきか否かの裁定を下すには「時期尚早」だと述べた。

本件の公判は10月に開始される予定。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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