KISS、まさかのアンコール来日決定 11月に一夜限りの東京ドーム公演

2022年11月、KISSが改めて日本のオーディエンスに「サヨナラ」を告げにやって来る。再会の場所として選ばれたのは東京ドームであり、彼らにとっては同会場での史上5回目の公演ということになる。ただ、誤解して欲しくないのは、これがいわゆる引退宣言撤回のような性質のものではないということだ。あくまでコロナ禍の影響により『END OF THE ROAD WORLD TOUR』が途中から仕切り直しになったからこそ組まれた、いわば奇跡的ともいえる機会だということを忘れずにおきたい。過去にはフェアウェル・ツアーを経たうえで継続を決めたこともあるKISSではあるが、その当時とは彼ら自身の年齢も違えば今後に向けてのヴィジョンも違う。かつて70歳でのステージ引退を仄めかしていたジーン・シモンズはすでにその年齢を超え、この8月25日には73歳になるが、最近では「バンドが50周年を過ぎても続くことはない」と断言していたりもする。KISSが結成されたのは1973年、デビュー・アルバムが世に出たのは1974年2月のことだ。タイムリミットが間近に迫りつつあることは間違いない。

KISSが日本初上陸を果たしたのは、1977年3月18日のことだった。トレードマークのメイクを施したままパンアメリカン機を降りた4人は、入国審査のため素顔になり、ふたたびメイクをした姿で、羽田空港の到着ロビーで待ち受けていた1,000人を超えるファンの前に姿を見せている。日本武道館での昼夜二回公演といった事態にまで至る大盛況となったこの初来日公演の模様は、NHKの『ヤングミュージックショー』でも放映され、このバンドの破天荒なライヴ・パフォーマンスはお茶の間にまで届き、それが多くの少年少女たちにとってのロック初体験の機会となった。

以降、1978年、1988年、1995年、1997年、2001年、2003年、2004年、2006年、2013年とコンスタントに来日公演を重ねてきたKISSは、2015年の来日時には2001年以来となる東京ドーム公演を実現させ、ももいろクローバーZと共演。そして2019年12月の同会場での公演時には、KISSに対するリスペクトを公言してやまないYOSHIKIが登場するというサプライズも起きている。

現在のKISSには、オリジナル・メンバーであるエース・フレーリーとピーター・クリスは不在だが、このバンドの存続が現メンバーであるトミー・セイヤーとエリック・シンガーの貢献あってこそのものであることは改めて説明するまでもない。実際、ポールは「ジーンと僕がすべてを取り戻すことができたのも、トミーやエリックの献身があったからこそ。彼らの存在無しには現在まで前進し続けることはできなかった」と言い切っている。

生ける伝説であると同時に、常に現在進行形であり続けてきたKISS。彼らはいつでも彼らにしか体現することができない至上のロックン・ロール・サーカスを人々に提供し続けてきた。そんなKISSにとっての“ロードの歴史”が終着点へと近付きつつあった中、過去に例のないパンデミックによる事態急変を経て、彼らのライヴ・バンドとしての歴史の最終章も書き換えられることになった。ポールは「KISSが活動を終えるのなら、その時点で“これまで誰が最高のショウをやってきたか?”という議論が起こる余地のないようにしたいんだ。だから自分たちがこれまでやってきた中でもベストのショウを見せつけなければならない」とも発言している。日本のオーディエンスの記憶に残り、永遠に語り継がれていくべき決定的なロック・ショウが、2022年11月、東京ドームで実現する!

文:増田勇一

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KISS END OF THE ROAD WORLD TOUR
2022年11月30日(水) 東京ドーム
17:30開場/19:00開演

チケット(税込)
SS席 ¥25,000
SSバルコニー席 ¥25,000(1ドリンク・軽食付き/専用トイレ/専用入場ゲート)
S席  ¥20,000
A席  ¥15,000
Ultimate KISS Army VIP Experience ¥400,000
KISS VIP Silver Package ¥150,000
KISS VIP SOUNDCHECK PACKAGE ¥20,000 ※公演チケット別

来日公演特設サイト:https://endoftheroad2022.udo.jp

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