ジョン・レノン殺害犯、67歳になった今の心境「殺人は悪と知っていたが、名声が欲しかった」

公聴会で配布された資料には、2010年7月に米ニューヨーク州のアッティカ刑務所で撮影されたチャップマン受刑者の顔写真が掲載されていた。(Photo by KYPROS/GETTY IMAGES)

ザ・ビートルズのメンバーだったジョン・レノンを射殺した犯人として知られるマーク・デイヴィッド・チャップマン受刑者の仮釈放申請が米ニューヨーク州刑務所当局によって却下された。2000年に申請が認められるようになって以来、今回で12回目の却下となる。

【写真を見る】極悪ポルノ男優「まるで別人」、車いす姿で出廷

1980年12月にチャップマン受刑者は、ニューヨークのアッパーウエストサイドにあるレノンの自宅マンション前でレノンを射殺した。8月に行なわれた申請公聴会後に公開された記録によると、受刑者は「邪悪な心があった」と認めたものの、当局に仮釈放の妥当性を認めさせるまでにはいたらなかったことが明らかになった。

「私は誰かを責めるつもりはないし、私がここにいるのは誰のせいでもない」と、チャップマン受刑者は8月の公聴会でこのように語った。「私は、自分が何をしようとしているかわかっていた。それが悪いことで、私が間違っていることもわかっていた。でも、私は何が何でも名声を手に入れたかった。名声を手に入れるためには、何でもするつもりだった。ひとりの人間の命を奪うことも」

チャップマン受刑者の申請を却下するにあたり、当局は「世界中の人にショックを与えた、人間の命をないがしろにする利己的な行動」と非難したうえで、「チャップマン受刑者は、人々の心に埋めることのできない空白をつくった」と事件の長期的な影響にも言及。それに対して受刑者は、レノン殺害は「私が探し求めていた最終的な答えだった……私は、名もなき存在のまま人生を終えたくなかった」と主張した。

現在67歳のチャップマン受刑者は、次のように補足した。「私は、世界中の人を傷つけた。だから、誰かが私を憎んだとしても、それはそれで構わない」。受刑者は、過去の公聴会でも似たような悔恨の言葉を述べている。自らの犯行を「卑劣な」行為と呼び、後悔の念を強くにじませたのだ。「私はレノンを殺した……彼は誰もが知る有名人だったから。彼を殺した理由はこれに尽きる。当時の私は、喉から手が出るほど名声を欲していた」と2020年の公聴会で語り、「それはきわめて身勝手なことだった」と自らを非難した。

現在チャップマン受刑者は、ニューヨーク州ハドソンバレーにあるグリーンヘイヴン刑務所にて禁錮20年から終身の刑で服役している。受刑者は、2年ごとにニューヨーク州刑務所当局に仮釈放申請を行なっている。次の公聴会は2024年2月に開かれる予定。

【関連記事】ジョン・レノンの死から40年、生前最後のロングインタビュー
【関連記事】早すぎる死を遂げた、音楽史に残る偉人名鑑

from Rolling Stone US

Translated by Shoko Natori

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE