ヨギー、ミツメら実力派アーティスト白熱のライブ「Scramble Fes 2022」レポート

ミステリアスな雰囲気を放つHaruyのステージが終わり、メインステージには東京発の4人組バンド・ミツメが登場。メンバー4人がステージの中央にコンパクトに位置する姿は、どこかビートルズを彷彿とさせる。1曲目は、ツインギターが織りなすカッティングのアンサンブルが心地良い「あこがれ」。川辺(Vo.Gt)の素朴だが芯の通った力強い歌声が響き渡り、早くも会場はミツメワールドに吸い込まれていく。ループするギターリフが印象的な「なめらかな日々」では、美しいメロディと柔らかい歌声にオーディエンスが優しく包み込まれていく。ミツメの持ち味であるノスタルジックで琴線に触れるメロディと日本語の響きが美しい楽曲がいくつか演奏され、続いて今年の11月にリリースされた新曲「メビウス」を披露する。須田(Dr)の繊細なタッチが光るドラミングと弦楽器の緻密なハーモニーが没入空間を作り出す。結成14年目を迎え、着実にキャリアを重ねてきたミツメだからこそ出せる純度の高い音、余裕のある空気感があるとしみじみと感じた。


ミツメ Photo by 上石千聖

続いてサブステージでは、DYGLが出演キャンセルになったことを受けて、DJとしてFREE THROWの弦先誠人が急遽出演した。boy pablo、The Chats、Yard Actなどポップスからパンクにまで及ぶ様々なジャンルの洋楽や、Helsinki Lambda Club、the telephones、錯乱前戦など日本のインディーズシーンで活躍するバンドの楽曲をセレクトし、観客を楽しませた。


弦先誠人 Photo by 上石千聖

続いてメインステージには、R&B、ネオソウル、ブラックミュージックなどのエッセンスを取り入れた、グルーヴィーなトラックと甘くスモーキーな歌声が魅力のシンガーソングライター・tonunが登場。ゆったりとしたリズムのメロウなナンバー「思考回路はmellow」では、そのソウルフルな歌声にオーディエンスはうっとりとした表情で耳を傾ける。また、曲中にトラップのフロウのようなセクションがあり、tonunのシンガーとしての表現力の幅広さを見せつけられた。切ないラブソング「今夜のキスで」に入り、聞けば思わず泣きそうになってしまいそうな琴線に触れるメロディーをアダルトなムードで歌い上げ、観客の心は鷲掴みにされる。「今日急遽時間変更でこっちのステージになりました。精一杯やるのでお願いします。」と意気込みを語り、最後の楽曲「Sugar Music」へ。会場は瞬く間にダンスフロアへと変容し、ノリのいいグルーヴィーなダンスナンバーに、オーディエンスは激しく体を揺らしながら楽しんでいる。会場が一体になって味わった最高にチルなひとときだった。


tonun Photo by 上石千聖

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