マネスキン×トム・モレロ 夢のコラボ曲「GOSSIP」を紐解く相思相愛対談

ジャムセッションを振り返って

ヴィクトリア:制作のプロセスに関して言えば、大体は即興演奏(ジャミング)。今までもみんなで聴いて、気になる箇所を編集していくっていうスタイルで作ってきたの。今回関わってくれた多くの人はみんな独自の手法で制作してたけど、トムとスタジオに入った時に驚いたことは、彼も私たちと同じアプローチをとっていたこと。スタジオで即興演奏して……っていうスタイルの人にほとんど出会ってこなかったから、親近感が湧いた。

ダミアーノ:はじめに書いた歌詞は、あまりピンとこなくて気に入らなかったんだ。だから、もっと意味のあるものに書き直そうってことになった――よりハードで荒々しいものに。いつもは一人で歌詞を書いてるんだけど、曲自体の意味を変えようってみんなで決めたから、今回は意見を共有しつつ歌詞を変えた。言葉やフレーズの一つ一つを確認しあえたのは、良い経験になった。

イーサン:共有することって、勇気がいるからね。


Photo by Fabio Germinario

トム:ジャムセッションの選曲は、悩むこともなくすぐに決まった。感覚的にこれだって思ったね。1回聴いた後には、もう確信してたよ。曲のコアの部分が自分のスタイルと合っているって感じたんだ。激しく、暴力的な部分だね。

ヴィクトリア:激しく暴力的、いい表現ね。

トム:ギターソロは、色々試すために何回かテイクを重ねた。レコーディングに関しては、サウンドがロックに感じたから、あまりエゴを主張せず、彼らにオプションを提示したんだ。典型的なシュレッディングなソロか、R2-D2(『スター・ウォーズ』のキャラクター)みたいなノイズのソロか。最終的には、その2つを組み合わせるかたちに落ち着いた。メロディをうまく引き立ててると思うし、ちょっとした見せ場にもなった。

ヴィクトリア:この曲は今までの中でも多くの人が関わった、私たちにとって大きな意味のある作品になった。強い個性を感じられたし、ジャムセッションのサウンドも完璧だった。ほとんど手を加えてないぶん、荒々しいエネルギーが伝わると思う。これもトムの最高なサウンドのおかげ。

トーマス:ジャムセッションから生まれた曲だから、スタジオの空気感が残っていることが大事なんだ。

ヴィクトリア:ええ、誇張されたりしてない、オリジナルの空気感がね。

ダミアーノ:奇跡的なサウンドはスタジオでしか生まれない。その空気感を作品に保ち続けることができれば、うまくいったも同然だね。

From Rolling Stone US.




マネスキン
『RUSH!』
2023年1月20日リリース
再生・購入:https://ManeskinJP.lnk.to/RushRS

初回限定盤:2022年の来日時の模様を収めたスペシャルフォトブック、初来日公演(8月18日:豊洲PIT)のライブ盤CDを付属
購入:https://SonyMusicJapan.lnk.to/Maneskin_RushfeRS

Translated by Natsumi Ueda

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