YouTuber/シンガーが語る「注目される歌」の極意、韓国発カバー動画の先駆者J.Fla

J.Fla(©GOODSEN ENTRTTAINMENT)

カバー動画で韓国のYouTube登録者数No.1(同国の全YouTubeチャンネルでも登録者数11位)を誇るシンガー/シンガー・ソングライター、J.Fla。2011年にチャンネルを開設し、現在登録者数は1760万人、動画総再生回数は35億回を突破している。

【動画を見る】「鬼滅の刃」遊郭編の主題歌「残響散歌」をカバー

エド・シーラン、ビヨンセ、マルーン5、BIG BANGなど洋楽/K-POPを中心にジャンルを問わずカバー動画を投稿。幻想的かつ艶やかな歌声に、世界中のファンが虜になった。今回、自作のオリジナル曲での活動をスタートさせた彼女に、Rolling Stone Japanによる本邦初インタビューが実現した。

—J.Flaさんはソングライターからキャリアをスタートしていますが、作曲家になりたいと思ったのはいつ頃からですか?

J.Fla:高校生の頃から歌手になりたいと何となく思っていました。その後、事務所に入って練習生期間を過ごすなかで、ガイドボーカルをやりながら作曲をする機会が与えられて、その流れでソングライターとしての活動を始めました。もともと作曲がやりたかったというよりは、自分が歌ってみたいものを作りたいという考え方でした。そんななか、自分が作曲した伊藤由奈さんの曲(「Happy Days」)が多くの人に受け入れられて、「もしかして私、作曲の才能があるんじゃないか」と思ったんです。

ーどういう環境で音楽に触れて育ったんですか?

J.Fla:音楽的に特別な環境だったわけではなく、小さい時に週に1回、必ず家族で外食をする機会があったんです。家族みんな歌うのが大好きだったので、外食後によくカラオケに行っていたのですが、音楽に触れていたのはそういう機会ぐらいしかなくて。家にピアノはありましたが、1曲弾けるかどうかのレベルで、ギターの方が簡単だったので、ギターを習っていました。

—今も作曲する時はギターから書き始めるんでしょうか?

J.Fla:全部そうですね。

—子どもの頃のJ.Flaさんがカラオケでよく歌っていたアーティストは誰ですか?

J.Fla:私の好みというよりは両親からリクエストされたものを歌うスタイルだったので、韓国のトロット、日本でいう演歌をよく歌っていました。なので、当時はトロットばかり聴いていましたね。でも、両親の前で歌っても褒められたことはなかった。高校生の頃に友達とカラオケに行った時に、「歌、上手いじゃん」って言われたことがあって、そこで初めて自分は歌が上手いのかもしれない!と思ったんです。

—ただ、そこでトロットを極めるのではなくて、世界中の人が聴いている音楽を歌うようになるわけですよね。それはなぜですか?

J.Fla:自分がYouTubeを始めた時は、YouTubeが今ほど盛り上がってはなかった。その頃の自分は一応歌手としてアルバムを出したとはいえ、無名な歌手の1人でしかなくて、ライブをする機会もありませんでした。そんなときにYouTubeを発見して、「YouTubeってアメリカの会社なんだ」と知って、多くの人にチェックしてもらうためには韓国の歌を投稿するのではなくて、皆が知っている有名な洋楽を選んだ方がいいんじゃないかなと思い、ある意味好奇心で洋楽のカバー動画をアップするようになりました。

—最初にアップしたのはビヨンセの「HALO」という曲でしたね。

J.Fla:ビヨンセの曲をアップした次の日、何人の人が聴いてくれたかを見るのが怖くて。もし再生数が0だったらどうしようって。恐る恐る確認したら、なんと8人の人が見てくれていたんです。10年前のことなので記憶が曖昧なんですけれど、8人も見てくれてるんだって思いながら次の日また見てみたら24人になっていて、それが70人になって、1週間ぐらい経った時、ついに初めてコメントがついた。それは「Facebookやってる?」っていうコメントだったと記憶してます(笑)。



—(笑)その後は順調に再生回数を伸ばしていった感じですか?

J.Fla:投稿すればするほど欲が出てくるものなので、アップしていくうちにもっと人が集まるんじゃないかなって期待をしていたんですが、あるとき再生回数がストップしてしまって。最初はどちらかというと趣味でやっていたことですが、その一方でもっと人気が出るように頑張りたいっていうジレンマもありました。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE