The 1975東京公演レポート 日本とファンに繰り返し愛を伝えた一夜

The 1975 東京ガーデンシアター公演(Photo by Jordan Curtis Hughes)

The 1975のバンド史上最大規模となるジャパン・ツアーが、昨日4月24日の東京公演からスタート。編集者/ライター・小松香里が当日の模様をレポート。

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昨年のSUMMER SONIC以来のThe 1975の来日公演である、「At Their Very Best」日本ツアーの初日は追加公演にあたる東京ガーデンシアター。サマソニはパンデミックによる約2年半ぶりのステージ、そしてニューアルバム『Being Funny In A Foreign Language(外国語での言葉遊び)』からの新曲世界初披露の場だっただけにナーバスなムードを伴って行われたパフォーマンスだった。昨年11月からスタートしたツアーは、シアトリカルな内容且つ毎公演セットリストが変わるということが報じられており、サマソニからまた何歩も先に進んだThe 1975が観られるということで、開演前の東京ガーデンシアターは期待に満ちた空気が充満していた。

開演時刻になり、客電が落ちると、「Love Me Tender」が流れ、巨大なヴィジョンにどこか日本の駐車場だと思われる場所にいるシャツ+ブラックのパンツ姿のマシュー・ヒーリーが映し出される。「Atpoaim」という文字がヴィジョンに映る。The 1975のYouTubeチャンネルで公開されている「A theatrical performance of an intimate moment」と題した何本かのモノクロの映像と「Atpoaim」は紐づいているが、コンセプト作りに余念がないThe 1975ならではのオープニングだ。


Photo by Jordan Curtis Hughes

やがてマシューが画面から消え、ステージに現れる。先ほどの映像は東京ガーデンホールの駐車場で撮られたリアルタイムのものだったのだろうか。まさにシアトリカルだ。持ってきた丸椅子をステージに置き、笑顔で手を振るマシュー。ギターを持って丸椅子に座り、しっとりと「Oh Caroline」を奏でる。スーツ姿で終始ナイーブな表情を浮かべていたサマソニとは明らかに違い、自身の部屋に招き入れたかのような親密なムードが漂う。もはや日本公演で恒例となっている感のあるおちょこでお酒を飲む姿を早速見せる。「I Couldn’t Be More in Love」を歌った後、「Good Evening」とマシューが呟くと大歓声が上がる。「Be My Mistake」を続け、メドレーで3曲を披露した。

活き活きとしたシンセが聴こえ、大歓声の中、「Looking for Somebody(to Love)」へ。ギターを抱え、アグレッシブに体を動かしながら歌うマシュー。緻密でタイトなバンド演奏に、一気に場内が躍動感に包まれる。オーディエンスのハンドクラップに合わせて、マシューもハンドクラップ。時折フロアを右手で指差し、さらなる盛り上がりを促す。「コンニチハ! Hello! Welcome! How you feeling?」と日本語をまじえ、オーディエンスを歓迎。「How you feeling?」と言っておちょこでお酒をぐいっと飲み、右手でおちょこを持ったまま、ノリノリで「Happiness」へ。最高だ。サマソニの時は緊張を和らげるためのアルコールに見えなくもなかったが、今回はこのパーティーをとことん楽しむためのものに見える。それほどのハピネスが渦巻いていた。


Photo by Jordan Curtis Hughes

マシューはステージ上の肘掛け付き椅子に座り、アダム・ハンのギターのカッティングを嬉しそうに聞き、客席の上方を指差し、オーディエンスのコール&レスポンスに満足気な声を上げた後、「Tokyo!」と叫び、引き続きオーディエンスの「Show me your love Why don’t you?」の大合唱が響き渡る。マシューが鍵盤を弾き、「1、2、3、4!」とカウントアップし、サックスのパートに突入。まだほんの序盤だがピークタイムのような盛り上がりだ。

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