DEAN FUJIOKAが語る初めてのJ-POPへの挑戦、1番価値のあるもの

DEAN FUJIOKA

DEAN FUJIOKAが、自身初のベストアルバム『Stars of the Lid』を2023年7月26日(水)にリリースする。これまでドラマや映画、アニメなどのタイアップをはじめとするリリースを重ねてきたDEANの音楽活動10周年の集大成とも言える今作には、すでに発表されている楽曲に加え、表題曲「Stars of the Lid」、「Final Currency」「Teleportation」という新曲3曲が収録。これまでの彼の音楽の歩みを感じられるだけでなく、ここからに繋がる作品となっている。9月23日(土・祝)には初の日本武道館公演も控えるDEANに、本作についてインタビューを行った。

関連記事:DEAN FUJIOKAが語る、コロナ禍以降の“突然変異”

―DEANさんにとって初となるベストアルバム『Stars of the Lid』は、日本武道館公演を見据えて作り始めたんでしょうか?

最終的にタイトルは一緒にしましたけど、別々に動きだした感じですね。『Stars of the Lid』がアルバムタイトルで、その世界観を武道館で出していこうと思えたのは、自分の中で腑に落ちる形でコンセプトが定まったことが大きくて。星って、空に輝いているけど、星座が持つ物語とかオリジンであったりは人間が生み出した虚構じゃないですか? その虚構と、真実が持つ正確さゆえの厳しさとか鋭さみたいなものがメビウスの輪のように連なったイメージが浮かんで、自分の中ですべてが集約された感じがあったんです。そこから1つの大きな音の物語であったり、ライブ現場での感化と共鳴を生み出せるんじゃないかと思って、このタイトルにしました。

―ベストアルバムって、なにかしらの節目に出す印象があるんですけど、本作はDEANさんにとっても節目という感覚はある?

1つの区切りとして音楽活動10周年というのはあったと思います。自分の場合は、音楽のアカウントは常に開いた状態でいるんですけど、音楽以外のお仕事も同時進行でやっていたので実作業にかけられる時間がすごく少なくて。それをどういう形で1つの星座群みたいな形で作品にまとめるか考えました。新曲も3曲ありますけど、総括することによって新しいチャレンジにつながるかなと。成長を常に続けていきたい気持ちは変わらずあるので、限界を突破して新しい自分を再発明するというか。どういう形で自分が今後音楽をやっていくべきなのかを真剣に考えるきっかけにもなりました。まだ、世に出してない曲も多々ありますし。今回こうやって新曲を3曲出すことで、1曲1曲の存在が道しるべなんだと思って。

―そういった意味合いが新曲には込められているんですね。

ストーリーテラーとして、自分の世界の見方の1つを提示して、そこに共感してもらえるかも1つの勝負だと思っているんです。それ以前に、自分という肉体の楽器の操作方法とか演奏法、技術を高めるかを含めて、新たなチャプターに行くんだという気持ちもあって。武道館が決まってから、その意味もすごく感じました。そういう覚悟でやるべき場所だし、これが第何章なのかわからないんですけど、1つの区切りなんだなっていう、すごくいい緊張感を感じられてますね。

―今回の3曲はベストが出ることが決まって書き始めた曲なんでしょうか。

「Final Currency」と「Stars of the Lid」に関しては、ある程度形がありました。特に「Stars of the Lid」に関してはデモがほぼできてましたね。「Final Currency」に関しては、ビートとメロディがあって、サビの歌詞もほぼ埋まっていて。頭の楽曲部分は、今回改めて書き足しましたね。「Teleportation」は今回唯一ゼロからアルバムのために作った曲になります。

―新曲を2枚組のディスク1の最初と最後、ディスク2の頭に収録していますが、それはどのような意図があるんでしょう。

この2枚は、天動説と地動説で、「虚構の持つ美しさと真実の持つ鋭さで繋ぐメビウスの輪」みたいなイメージで作ろうと思ったんですね。そうなってくると、接着部分ってめちゃくちゃ大事じゃないですか。だから、1枚目の1曲目と最後の曲、アルバムとアルバムの真ん中に置きたいと思って。曲順は何パターンも出して、精査して、かなり時間をかけました。最終的にメビウスの輪っていう意味でイメージに近いかなっていう現在の形になりました。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE