岡野昭仁が語る「歌う意味」、ワクワクを求めてたどり着いた終着点

岡野昭仁

岡野昭仁(ポルノグラフィティ)が様々なジャンルのアーティストと一緒に音楽を探訪するプロジェクト「歌を抱えて、歩いていく」。8月23日に同プロジェクト初となるアルバム『Walkin' with a song』がリリースされる。

今作には、岡野昭仁×井口理(King Gnu)×BREIMENのコラボレーションとしても話題となった楽曲「MELODY (prod.by BREIMEN)」をはじめとした既発曲4曲に加え、Eve作詞・作曲による「ハイファイ浪漫」、柳沢亮太(SUPER BEAVER)作詞・作曲による「指針」、n-buna(ヨルシカ)作詞・作曲による「インスタント」、小原綾斗(Tempalay)作詞・作曲による「芽吹け」、岡野昭仁作詞・作曲「歌を抱えて」など、全10曲が収録されている。本作がどのように誕生したか、また岡野が歌う意味まで、ざっくばらんに語ってもらった。

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―YouTubeでのソロコンテンツ「DISPATCHERS」でソロアルバムの完成報告をされた際、「僕自身がほんとに楽しんで歌って作った」と話されていましたよね。




岡野昭仁(以下、岡野):本当にそれが正直な気持ちで。僕はある意味、無責任なんでね(笑)、自分でソロをやってみようと決めたくせに、細かいコンセプトを決めたりするのが苦手だったりするんですよ。なので、スタッフ陣への信頼と、コラボを引き受けてくれた方々の作る楽曲への信頼にお任せして、とにかく楽しく気楽にやらせてもらった感じなんですよね。気楽とか言っちゃうと申し訳ないんだけど(笑)。

―ソロとして初めてのアルバムだからこそのフレッシュさもあったでしょうし。

岡野:そうそう。あとはまあ、ある程度のキャリアをポルノで重ねてきたっていうのも大きかったとは思うんですよね。ソロに関してはけっこう前から話に上がっていたこともあったんだけど、もしもっと早い段階でソロをやっていたら今回ほど楽しみながらやることはできなかったような気もしてて。ポルノでのキャリアという土台があったからこそ、いい意味で気楽に向き合えた部分もあったんだと思います。

―ソロプロジェクトのアイデアが現実味を持って動き出したのは、ポルノとして20周年の大きな節目を東京ドーム2DAYS(2019年9月開催の「NIPPONロマンスポルノ’19~神VS神~」)で迎えた後だとおっしゃっていましたよね。

岡野:そうです。東京ドームを終えた後、ポルノが充電期間に入ることが決まったので、「ソロとして何かやってみようかな」っていう。当初はまだ具体的にどんなことをやっていくかは見えていなかったんだけど、澤野(弘之)くんと「光あれ」を作ったことをきっかけに、「歌を抱えて、歩いていく」というテーマを掲げ、配信LIVE(21年4月と7月に開催された「DISPATCHERS」「DISPATCHERS vol.2」)をやったりだとか、作品をひとつひとつ楽しみながら作っていくことができて。その流れの行き着く先としてアルバムがあったっていうことなんだと思います。



―アルバムまでの道筋を細かく決めておくのではなく、それこそ1曲ごとの出会いを楽しみながら歩んできたということなんでしょうね。

岡野:うん。とにかくいろんな方から楽曲提供を受けて、ボーカリストとしての新たなチャレンジをたくさんしようということをやってきた感じですね。どこが終着点かはわからないけど、とにかくワクワクすることをしようっていう。

Rolling Stone Japan 編集部

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