オリヴィア・ロドリゴが語る『バービー』への共感、テイラー・スウィフトとの関係

 
素顔のオリヴィア・ロドリゴ

ディナーを終え、私たちはロス・フェリズ界隈を散歩した。ロドリゴの少し後ろにタトゥーの入った強そうなボディガードがついている。ロドリゴだって、望んでボディガードをつけているわけではない。「ひとりで散歩するのが好き」と言った。「でも、いつもそんなことをしていると怒られるの。マネージャーに『ひとりでほっつき歩かないでください。必ず、誰かをつけるように』って言われる。ひとりきりで不安に思ったことはないんだけどね。でも、実際は危険なのかな。わかんない。でも、何よりも身の安全が大事だから、仕方ないよね」

ロドリゴは、ブランチスポットとして知られる店を指差した。「昔、ここで嫌な相手とデートしたことがある。自分が誰かにとって嫌なデート相手だったことってあるのかな。そうだったらいいな。大混乱をもたらすことが人生の目的なの」。アイスクリームショップに立ち寄り(ロドリゴは、コーンに乗ったハニーバニラを選んだ)、フランクリン通りを下る。そうしながら、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011年)の飛行機のシーンのセリフを言い合った(訳注:飛行機が怖い主人公のアニー[クリステン・ウィグ]が酔っ払ってパニックになるシーン)。

「私のスコッチあげる。この量なら十分効果があるはずだから」

「エコノミー席のほうが連帯感を感じられる」

「飛行機の翼の上に植民地時代の格好をした女の人がいる!」

私たちは、犯罪がテーマの人気ポッドキャスト番組に登場したロス・フェリズ殺人事件の現場を探すが、5キロ先だと知って断念した。そこで、未解決のロングアイランド連続殺人事件や先日マリブ・ビーチで発見されたドラム缶の中の遺体について話し、母親から聞いた怖い話を交換した。私の母は、ジョージア州サバンナのホテルで真夜中に花嫁の格好をした幽霊を見たことがあるという。ロドリゴの母親は、ロドリゴが幼少期を過ごしたウィスコンシン州の家で見知らぬ男性を見たそうだ。その男性は、地下室のほうに降りて行った。「10年間、誰にも話したことがなかった。おばあちゃんはこう言ったの。『家があるのはいいことだよ。男の人が地下室で亡くなったおかげで、この家を安く買えたんだから』って」とロドリゴは言った。

「ごめん! なんか死の話ばかりだね」と言い添えた。


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TOP: E L / I F . SKIRT & SHOES: 1XBLUE. NECKLACE: THE STEAMPUNK GHOST. WATCH: THE STEAMPUNK GHOST. ANKLET: PEARLLHEARTS

こうしたものに惹かれる理由は、ハリー・ポッター愛のせいだとロドリゴは考える。11歳の誕生日にホグワーツから入学許可証が届かなかったときはがっかりしたそうだ。そんなロドリゴは、魔法や魔術が大好きだ。小学生の頃は、放課後になると大きな釜に葉っぱや水を入れて「ハリー・ポッターごっこ」をして遊んでいた。

当時、ロドリゴの母親のジェニファーさんはその学校で教員をしていた。父親のクリスさんはセラピストだ(父親は、“セラピストの娘だから/彼を治してあげられるかも”という歌詞が含まれている「get him back!」をまだ聴いていない)。ロドリゴは、13歳のときにホームスクーリングをはじめた。『やりすぎ配信! ビザードバーク』に出演するため、ロサンゼルスに引っ越したのだ。「そのせいか、社会的スキルが欠けている気がする。私はひとりっ子で、勉強は家でしてたから、そういうスキルが昔から欠けてるのかもしれない」

当時のロドリゴがスターに夢中になった瞬間が一度あった。ロサンゼルスの映画館で女優のヴァネッサ・ハジェンズに会ったのだ。「本当にびっくりした。私も彼女も、フィリピン系なの(訳注:ロドリゴの父親はフィリピン人)。だから、共通点があってかっこいいと思ってた」。その後、ロドリゴはハジェンズと同じ「ハイスクール・ミュージカル」シリーズに抜擢された。ロドリゴは『SOUR』以降もこのシリーズに出演し続けた。先日収録を終えたばかりのシーズン3が最後となる。

さまざまなことを乗り越えたロドリゴだが、イタリアンレストランでの会話を含め、まだまだ消化できていないこともある。スティーヴィー・ニックスのように75歳になってもヒット曲を歌い続けるのか?と質問すると、「大きな問題を提起してくれた」と笑いながら言った。「でも、次回までに必ず答えを見つける。だからスケジュール調整、よろしくね」

>>>前編はこちら
オリヴィア・ロドリゴが大いに語る、20歳の現在地と『GUTS』のすべて

From Rolling Stone US.




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『GUTS』
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オリヴィア・ロドリゴ日本公式HP:https://www.universal-music.co.jp/olivia-rodrigo/

Translated by Shoko Natori

 
 
 
 

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