セイレム・イリース来日直前インタビュー ギターロックへのこだわり、溢れ出る日本愛

 
ザ・キラーズと日本への愛

―2021年にEP『(L)only Child』を発表された際に取材をさせてもらったのですが、その時にはバラードは歌わないと仰っていた……。

セイレム:ええ、覚えていますよ(苦笑)。でも今回歌ってるバラード「Ketchup」は、2分くらいの短い曲でシンプルだし、ほとんどインタールードのようだから。でも大好きな曲なんです(笑)。

―アルバムのデラックスバージョンには、「Taylor Made」というナンバーも。何やら気になるタイトルですが……(笑)。

セイラム アハハハ! そうそう、テイラー・スウィフトに捧げた曲なんです。ずっと彼女の曲を聴いて育った私にとってテイラーは憧れの人物。ソングライターとしても優れているし、人柄も見習いたいし、ビジネスの才覚もあって、全てに関して完璧じゃないかと思えるほど。彼女の曲を通して恋愛や失恋などもたくさん学ばせてもらいました。彼女の歌に救われたことも何度かあります。今でもはっきり覚えているのが、初恋が終わった時のこと。泣きながら、ずっとテイラーの曲を聴いて慰められていました。この曲は如何にテイラーが私を救って育ててくれたかということを歌っています。つまり、私はテイラー・メイド(笑)。この曲で少しでも彼女に愛のお返しができればと思っています。

―レディー・ガガやリナ・サワヤマを手掛けるクリスタル・ロックハートも関わっていると聞きました。具体的にはどういう形で?

セイラム クリエイティブディレクターとして関わってもらっています。元々音楽に関して私は強い拘りを持っているのだけれど、ビジュアル的なことに関しては、どうにも二の次になってしまって。アルバムのジャケットやアーティスト写真はとても重要なアイテムだと思います。でも私はついついハッピーで楽しいキラキラのポップガールを演じようとしてしまって……本当はもっと暗い一面もあるし、奇妙なぬいぐるみが大好きだったり、ロックも大好きだし、落ち込んで部屋から出れない日もあるし。そんな一面をクリスタルが上手く引き出して、ビジュアルで表現してくれています。

―最近のミュージックビデオのビジュアライザーも、パソコン画面がモチーフになっていたり、これまでとはかなり違っていますよね。

セイレム:随分変わったと思います。私らしさをより的確に表現していて、アルバムのサウンドとも合っているのではないかと思います。ヘアスタイルをツートーンにしたり、メークも黒っぽくして。これまで躊躇していた自分らしさの一面を、クリスタルのおかげで発揮できるようになりました。彼女からは「100%自分らしくあること。他人が思うキャラを演じるのではなく、自分らしさや自分の個性を打ち出すことを考えて」と最初に言われて、目から鱗でした。彼女とはすごく楽しく仕事が出来ています。



―先ほどチラッと話に出たvaultboyとの「don’t shop when ur hungry!!」での共演は、どのような経緯で?

セイレム:彼とは以前にも一緒に曲を作ったことがあり、すごく才能がある人で、相性がいいんです。共作するのがとても楽しくて。今回もゲストとして参加してほしいとメッセージを書いて一緒に曲を送ったら、すぐにステキなヴァースを作って送り返してくれました。

―彼もあなたもSNSでバズって注目を浴びましたが、中にはライブ経験があまりなくて苦労しているアーティストも少なくないです。でもあなたはまったく問題なさそうですよね。

セイレム:そう言ってくれてとても嬉しいです。私は9歳からライブを経験していて、それこそ最初にみんなの前で演奏した時に、私のやりたいのはこれ、情熱を捧げたいと思ったぐらいライブが大好きです。曲作りに負けないほど。いや、同等かな? 曲作りは暗い部屋に1人で篭って、ずっと8時間くらい作業をすることもあるわけですが、完成した曲をツアーやライブで披露するのは最高のご褒美なんですよね。スタジオでの苦労が、やっと報われたという感じで。私にとってライブこそが命なんです。



―10月の来日コンサートは、どのようなライブになりそうですか?

セイレム:このアルバムからの新曲ももちろん披露したいし、私もギターを弾くつもりです。スプーヴ(デイヴィッド・カミンスキ)というギタリストが別にいて、あとジェイコブ(・ヘレリック)というドラマーもいる3人編成です。全員が複数の楽器を演奏できるので、曲によって楽器を持ち替えながら共同で作業する感じです。私はピアノも弾くし、パッドを使ってステージ上で即興でトラックを作っていこうかなと計画しています。

―昨年のサマーソニックではザ・キラーズの「Mr. Brightside」をカバーされていましたが、今回もカバーを?

セイレム:今回もキラーズの曲をカバーしようかなと考えています(笑)。でも他の曲。まだ曲名は明かせません。私が歌うと全然キラーズとは違った雰囲気になるので、それも面白いと思うんです。私に似た女性ポップシンガーの曲をカバーするよりも、ずっとクールでユニークじゃないかと思います。

―カラオケでキラーズを歌うというアーティストはけっこう多いんですよね。

セイレム:でしょ! でしょ! 私のカラオケの十八番ももちろんキラーズの「Mr. Brightside」だし、2週間ほど前にも歌ったばかり。サマソニの時も歌ったその日の夜に、東京でカラオケに行って、またその曲を歌ったんです(笑)。マネージャーから「さっき大観衆の前で歌ったばかりなのに、またこの曲を?」とか言われて。そんな彼は「Mad at Disney」を歌ってました(笑)。

―来日時に楽しみにされていることはありますか?

セイレム:絶対にまた行きたいのがミニ豚のカフェです。前回は一度しか行けなくて、でも今回はできるだけ何度も通いたいです。とにかくあのカフェが大好き。最高の思い出です。お寿司や和食もいっぱい食べたいし、そうそう、前回ハマったのがビタミンCのドリンクでした。アメリカに帰ってからも100本ほど取り寄せて、全部すぐに飲んじゃったくらい大好き(笑)。日本は私がこれまでに訪れた中で最高に好きな国。もし半年どこかに住んでいいと言われたら、絶対に東京に住みたいです。日本のファンとも直接会って、いろいろお喋りするのも楽しみです。私の曲に如何に影響されて、励まされたかという話などを聞くと感激させられます。満面の笑みになってしまいます。あともう少しで日本。今から待ちきれません。







セイレム・イリース来日公演

2023年10月9日(月・祝) ビルボードライブ大阪
1st:Open 17:30 Start 18:30
2nd:Open 20:30 Start 21:30
▶︎公演詳細・チケット購入はこちら

2023年10月11日(水) ビルボードライブ東京
1st:Open 17:30 Start 18:30
2nd:Open 20:30 Start 21:30
▶︎公演詳細・チケット購入はこちら

チケット:
サービスエリア 8,400円
カジュアルエリア 7,900円(1ドリンク付)



セイレム・イリース
『HIGH CONCEPT』
配信:https://salemilese.lnk.to/HighConcept



【チケットプレゼント】
セイレム・イリース

10月9日(月・祝)にビルボードライブ大阪、10月11日にビルボードライブ東京で開催される来日公演の1st / 2nd Stageに、Rolling Stone Japan読者2組4名様ずつご招待します。

【応募方法】
1)Twitterで「@rollingstonejp」と@billboardlive_t(東京)「@billboardlive_o」(大阪)をフォロー
2)ご自身のアカウントで、下掲のツイートをリポスト

【〆切】
2023年10月1日(日)
※当選者には応募〆切後、「@billboardlive_t」「@billboardlive_o」より後日DMでご案内の連絡をいたします。


 
 
 
 

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