LUNA SEA、約30年の時を経て現代に再現した『STYLE』ツアーライブ

レーザーが飛び交い、怒涛のリズムセクションが唸りを上げた「1999」から、「RA-SE-N」へと続く。INORANのアルペジオを中心に延々と続く5拍子の演奏が不気味にすら感じる。映像の中で形を変えていくリキッドアートも中毒性あり。ド迫力のアンサンブルでバンドの結束力を見せた。鐘の音が響き、「SELVES」へと世界観が引き継がれる。真矢が叩くリムショット、Jのうねるようなベースラインと共に妖しげに歌うRYUICHI。スクリーンにはモノクロームの映像が流れ、SUGIZOがバイオリンで美しくも狂おしい音色を掻きむしるように奏でた。


J

20分間のインターミッションを挟み、大声援の中で真矢のドラムソロがスタートした。スティックを叩いて手拍子を求めると、Jがステージに上がり、2人で重点を響かせるリズム・アンサンブルを披露。耳に手を当てて歓声を促すJ。声出し可能となったライブの喜びを存分に満喫している姿は無邪気ですらあった。「横浜ー! まだまだいけるか!? もっとこいやー! この後、もっと飛ばしていくぜ!」と煽りたてる真矢のMCに応えたJが「いくぞー! 1、2、3、4」とシャウトしてハイスピードのリズムで疾走すると、SUGIZO、INORAN、RYUICHIがステージに姿を現して始まった「Déjàvu」で、客電が一斉に点いて大合唱へと掻き立てられる。背後には時計の針とかつての5人の映像が映し出される演出も。


真矢

RYUICHIが「次のナンバーは思い切りみんなのことを愛してみたいと思います。横浜、飛ばしていくぞ!」と叫んでから歌い出したのは「DESIRE」。間奏では、INORANとRYUICHIがソロを弾くSUGIZOを挟み、3人でじゃれ合う姿が微笑ましい。「TIME IS DEAD」ではスクリーンに表示される文字に合わせてオーディエンスが“TIME IS DEAD”と連呼してカオスに。パンキッシュな演奏の中、何度もキレキレなブレイクが決まり、SUGIZO、INORANは広いステージを縦横無尽に行き交いながらギターを鳴らす。続く大ヒット曲「ROSIER」で、色とりどりのレーザー光線が飛び交い、激しく点滅するライティングに包まれる場内。終盤、演奏が終わったかと思いきや、RYUICHIが「スタンドの奴らも、アリーナの奴らも、Kアリーナ横浜、全員で飛ばしていくぞー!」と叫んで、「ウォー!!」と物凄い歓声と共に再びサビへと突入して、興奮は最高潮となった。

「約30年の時を経て蘇ったこのツアー。俺たちは当時、ファン、メンバーたちと共に80'sからムーブメントを起こしてきました。もちろん、歴史や思いもたくさんあるけど、ここから先の未来を、今日ここにいるみんなと刻んでいくから。いいね、みんな!」と語り掛けるRYUICHIのMCに、温かな拍手がステージに向けられた。そんなムードから一転、「いけるかー!?」と「HURT」へ。熱く情念の籠ったボーカル、ラウドなサウンドは圧倒的な迫力だった。爆音のフィードバックとリフレインを残し、5人はステージを後にした。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE