コーディ・ジョン初来日公演、1秒ごとに増幅していくポップスターの多幸感

コーディ・ジョン(Photo by キセキミチコ)

オーストラリアのZ世代アーティストを代表するコーディ・ジョンが初来日公演を渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行った。オープニングアクトにオーストラリアと日本にルーツを持つ15歳のRainy。、サポートアクトに中国語・韓国語・英語・日本語の4ヵ国語を功に操る「クワドリンガル」兄弟ラッパーデュオ、EAERANが出演。フレッシュで国際色豊かな一夜をレポートする。

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はじけるような笑顔で登場したRainy。は透明感溢れる歌声で2ndシングル「All or Nothing」を歌い、強い決意を明かしたと思ったら、マライア・キャリーの名クリスマスソング「All I Want for Christmas Is You」を歌い、一気にチアフルなムードに染め上げた。「新曲を聞いてください!」と言って、シームレスに自らの新曲「Rainbow Christmas」をキュートな振りとともに披露。



「私のアーティスト名は英語のRainyと日本語の句読点のまるが付きます。オーストラリアと日本にルーつがあって、どっちの文化も大事にしたいと思っているので、英語と日本語を使ったアーティスト名にしました。コーディ・ジョンさんとEAERANさんに良い形で繋げるように精一杯頑張ります!」と宣言し、天真爛漫な魅力を振り撒いたRainy。。


Rainy。(Photo by キセキミチコ)

最後はオーディエンスのハンドクラップが響く中、ステージの端から端まで歩きながら、アニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマ「…and Rescue Me」を歌い、「光の向こう解き放て」というフレーズを歌う際には片腕を高々と上げて、闘志を描いて見せた。



続いてEAERAN。和なイントロから始まり、日頃の小さなイライラをラップしながらも、「イラ イラ イライラ しゅしゅ 手裏剣」というキャッチーなフレーズが繰り返され、中毒性抜群な「イライラ手裏剣」や、クマの目撃情報のアナウンスが流れた後、ローなビートが貫く不穏なパートから一転、サビではソフトでチルなムードが漂う「森のくまさん」といったユニークな楽曲でオーディエンスの心をキャッチ。




EAERAN(Photo by キセキミチコ)

最後は抜群のメロディを宿した「うさぎパニック」で盛り上げた。兄のEAはうさぎのイラストが描かれたフーディーとうさぎの耳を模したニット帽を着用しており、うさぎ感満載のフィナーレとなった。

ラストはもちろんコーディ・ジョン。ステージ上にはドラムセットのみが置かれており、サポートドラムがパワフルなドラミングを披露する中、勢いよく走ってコーディが登場。1曲目の「What’s up」ではサビでオーディエンスにマイクを向け、「What’s up  What’s up」という合唱が響いた。

初の来日公演。目の前に集まったたくさんのオーディエンスに対し、「This is incredible! 大好き! どうぞよろしく!」と日本語を交えて、喜びを爆発させたコーディ。一輪のひまわりを手にし、「Flowergirl」へ。「君」への甘いときめきを歌いながら、前列のオーディエンスに花を手渡し、悲鳴が上がった。と思ったら、いたずらっ子のような表情を浮かべて追加で4輪のひまわりを持ち、1輪ずつオーディエンスに手渡していくのだから盛り上がらないわけがない。ダイナミックなダンスも披露し、動きも表情もチャーミングさと躍動感にあふれ、ポップスターの資質が全開だ。



「It’s Not Me」では「What the fuck?」の大合唱が巻き起こり、2番ではコーディがステージから降り、自前のインスタントカメラでオーディエンスと一緒に記念撮影をしたり、オーディエンスをパシャパシャと撮影したり、日本のファンと初めて直接出会えたことを心から楽しんでいることが伝わった。


Photo by キセキミチコ



ガラケーやコード付き電話等、レトロなアイテムが登場し、Z世代を中心に支持されているMVでおなじみの「STAGEFRIGHT」の後は、「次は新曲だよ!」と嬉しそうに口にして、オーディエンスをしゃがませ、サビの「Oh shoot」で一斉に立ち上がるんだよ、と指導。本番でばっちり決まり、場内の一体感が増大した。ちなみに、日本のZ世代を代表するアーティストであるimaseも「STAGEFRIGHT」のMVをフェイバリットとして挙げている。



「一緒に歌って!」とオーディエンスに呼びかけて、「All thanks to you」でシンガロングを巻き起こした後、とても満足気な表情で、オーディエンスに向かって「君たちはナンバーワンだよ!」と伝えた。ハッピーなムードが1秒ごとに増幅していく。


Photo by キセキミチコ

思春期の真っ只中の恋の始まりと戸惑いが赤裸々に描かれた「Bubble」ではいくつものシャボン玉が場内に舞った。最後はコーディがステージに横たわり、吐き出すように「Bubble」と口にして曲を締め括り、たくさんの拍手が送られた。

SIRUPとのコラボナンバーであり、コーディが初めて日本語詞に挑んだ「2MANYTIMES」も歌われた。洒脱なホーンが流れ、SIRUPの歌声から楽曲はスタート。デンゼル・カリーやゴールドリンク、JP THE WAVYなどの楽曲を手がけるオーストラリアと日本をルーツに持つ音楽プロジューサー/作曲家、タカ・ペリーが手がけた90年代~2000年代R&B直系のトラックとSIRUPの歌に合わせ、コーディは華麗にステップを踏み、合いの手を入れる。SIRUPとのハーモニーを聞かせたり、日本語を交えた「いつまでもChasing Chasing」というフレーズを伸びやかに歌った。SIRUPとタカ・ペリーとの制作秘話をとても嬉しそうにオーディエンスに伝えた後、「残り時間が少なくなってしまったよ」と寂しそうに言って、「dirty dancing」へ。





終盤、CODY JONという名前が真ん中にプリントされ、日本のファンからのメッセージがびっしり書かれたフラッグを満開の笑顔で掲げたコーディ。デビュー曲の「Poison」を情感たっぷりに歌った後、オーディエンスから「CODY JON」と書かれた赤の法被をプレゼントされ、思わぬサプライズに驚く。「Thank you mama」と一言ジョークを言って、ステージ袖にいったん捌け、法被を着用して再登場するというファンサービスもあった。


Photo by キセキミチコ

そろそろ終わりが近づく。改めてオーディエンスに感謝を伝え、「東京以外の場所から来た人は?」と質問すると、半数程度のオーディエンスが手を挙げたことに対し驚きの表情を浮かべ、「大好き!」と口にした。最後は「Becky’s Plan」だ。80年代のシンセポップの匂いが満載の楽曲に対し、イントロから「ダラララララ」の大合唱が巻き起こった。コーディはオーディエンスにより近い距離で歌いかけるように、フロアに向かって手を伸ばし、甘酸っぱい恋の駆け引きを熱唱。「Thank you next time! Love you!」と爽やかに言い放ち、笑顔で去っていった。そこからしばらくオーディエンスのコーディコラボが止まなかった。




Photo by キセキミチコ

CODY JON Live in Tokyo 2023

2023.12.6(wed) duo MUSIC EXCHANGE

OPENING ACT
Rainy。
M1 All or Nothing
M2 Rainbow Christmas
M3 Find the truth
M4 …and Rescue Me

SUPPORT ACT
EAERAN
M1 Lonely night parade
M2 血ョコレート
M3 イライラ手裏剣
M4 Black Ghost
M5 蛙化現象
M6 Sweetless
M7 Precious
M8 Paincake
M9 森のくまさん
M10 プリン
M11 うさぎパニック

CODY JON
M1 What’s up
M2 Flowergirl
M3 DEATH WOBBLES
M4 It’s Not Me
M5 STAGEFRIGHT
M6 SHOOT!
M7 Incognito
M8 All thanks to you
M9 Bubble
M10 Sabrina
M11 2MANYTIMES
M12 dirty dancing
M13 Curtain Call
M14 Poison
M15 Becky’s Plan

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