マネスキン旋風再び 相思相愛の日本で見せた「進化」と「飛躍」のロックンロール・ショウ

Photo by Fabio Germinario

マネスキン(MÅNESKIN)の来日ツアーがついに開幕。昨年8月のサマーソニック/豊洲PIT単独公演で鮮烈な日本デビューを飾った彼らは、飛躍の一年を経てさらなる進化を遂げていた。12月2日・有明アリーナで開催された公演初日のライブレポートをお届けする。

【写真ギャラリー】マネスキン来日公演初日・ライブ写真(全23点)

※以下、セットリスト等ネタバレあり

東京・豊洲PITでの初来日公演から16カ月、初めてのジャパン・ツアーにして4夜のアリーナ公演――東京3公演と神戸1公演――をソールドアウトにする快挙を成し遂げたマネスキン。この間に3rdアルバム『RUSH!』を発表して世界中で大ヒットさせ、グラミー賞の新人賞候補に挙がり、グラストンベリー・フェスティバルなどの大舞台を踏んで、9月にアリーナ級の会場を周る『RUSH! World Tour』をスタート。その一環でこうして2度目の来日が実現したわけだが、初日の12月2日に東京・有明アリーナで目にした、今宵も各自スタイリッシュに装ったバンド(男性陣はふと気付くと途中で全員半裸になっていたが……)は、大幅にアップした会場のサイズとオーディエンスの数に動じることなく、引き続き4人のメンバーが鳴らす音だけで勝負。広いスペースを効果的かつ有効に使うという課題においてはまだ伸びしろがあるものの、軽々とステップアップを遂げていた。そして、本人たちが“ロックの救世主”と呼ばれることを好むと好まざるとにかかわらず、時にグランジに、時にインダストリアルに、時にミクスチュア・ロックに、時にガレージに接近して歴史をピック&ミックスする彼らの2時間にわたるショウはまぎれもなく、ラウドでダーティーでグラマラスな最高級のロックンロール・ショウだったことをまずは述べておきたい。


Photo by Fabio Germinario


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気になるセットは言うまでもなく『RUSH!』の収録曲を中心に、前作『Teatro d'ira - Vol. I』(2021年)からの「ZITTI E BUONI」や「CORALINE」、大ヒット・カバー曲「Beggin’」を織り交ぜて構成。さらに、11月に登場したばかりのデラックス・バージョン『RUSH!(Are U Coming?)』に収められていた5つの新曲も網羅する21曲で、飛躍の一年の終わりに最新形のマネスキンを確認する機会にもなった。

そんな本公演は開演時間の18時を少し過ぎた頃、トーマスがかき鳴らす、宙をつんざくギターの音と共に「DON'T WANNA SLEEP」で幕を開ける。ステージの演出は潔くライティングだけ。4人のパフォーマーとしてのスキルと存在感を前面に押し出してショウを進行させ、3曲目には早くも出世曲「ZITTI E BUONI」が登場。沸き立つオーディエンスに向かってダミアーノは、「コンバンワ、僕らが大好きな場所に帰ってきたよ! 会場に椅子があるのを見て少し不安に感じたけど、最初からみんなが立ってくれていてうれしかった。君らは世界で最高のオーディエンスだ」と、喜びを露わにする。

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