BE:FIRST、デビュー2年4カ月で有言実行したドーム公演「次は世界だぞ‼」

BE:FIRST(撮影:田中聖太郎)

2023年11月から約4カ月をかけて全国を周ったアリーナツアー「BE:FIRST ARENA TOUR 2023-2024 “Mainstream”」からわずか1週間。追加公演として開催された初のドーム公演「BE:FIRST LIVE in DOME 2024 ”Mainstream – Masterplan”」。2021年のデビュー時から、「3年後を目安にドームに立つアーティストになる」と自覚していたBE:FIRST。デビューから2年4カ月、有言実行のドーム公演の模様をレポートする。

【写真】BE:FIRSTが有言実行したドーム公演(全7枚)

3月2日、ドーム公演初日。「2024年にドームでライブを行う」という「BE:FIRST 1st One Man Tour "BE:1" 2022-2023」追加公演でのSOTAのMCが東京ドームに流れ、巨大LEDスクリーンにオープニング映像が流れた。「BE:FIRSTがまた世界を救いました」というアナウンスから始まり、MANATO、JUNON、LEO、RYUHEI、RYOKI、SOTA、SHUNTO……メンバー7人それぞれのバックグラウンドやキャラクターを盛り込んだ学園ドラマのような映像の後、これまでのBE:FIRSTのMVやライブ映像が流れて過去に逆戻り。「すべてはあの時から決まっていたことだったんだ」というMANATOの声が流れた。そう、ドーム公演のタイトルは「Masterplan」。BE:FIRSTにとっては世界にいくための最低条件であり通過点なのだ。

スクリーンがゆっくりと開き、赤いライトの中、あのリッチなイントロが流れた。デビュー曲「Gifted.」だ。LEOが担う〈どこを探したって僕ら以上はもうあり得ないでしょう?〉という宣言から2年4か月、BE:FIRSTは唯一無二の存在として東京ドームに立った。7人の一挙手一投足はドラマティックであり、広大なドームの隅々までパフォーマンスを届けようという気迫が一瞬で伝わってきた。BE:FIRSTの新たな旅立ちを祝福するかのようにステージから火花が上がった。

5万人の歓声が上がる中、「Mainstream」へ。シングルの表題曲としては初めてメンバーが1から制作に携わった楽曲であり、J-POPのフォーマットから逸脱したノンタイアップのヒップホップチューンにもかかわらず、音楽チャート全116冠を達成。ど迫力の「Mainstream」にどよめきが上がるが、もちろんBE:FIRSTは手を休めない。

初めての東京ドームライブとは思えないほどしなやかな躍動感を溢れさせ、この瞬間だけの輝きをスパークさせた「Move On」。サングラスに坊主姿のRYOKIが「行くぜ、ドーム!」とすごみ、場内の温度を上げた。SHUNTOが大きく息を吸い指をくいっと上げて「Milli-Billi」へ。

「Boom Boom Back」のイントロが流れる中、SOTAが「Whats up東京ドーム! 待ちわびたぜ、今日は世界一作るからな! ここまでついてきたお前らならこの曲の楽しみ方知ってるよな!」と問いかけると歓声が上がった。これまでのライブ以上に熱量を増大させ、歌/ラップ/ダンスを届ける7人。最大規模のBESTY(BE:FIRSTファンの呼称)と過ごす空間だからこそ、音楽の可能性を一層楽しむBE:FIRSTはやはり音楽ファーストのグループだ。

LEOが一番上のスタンド席を見つめながら「誰も置いていかないからね!」と言って、MANATOがその場で「俺らの夢」という思いを込めて「BF DREAMERS」と命名したフロートに全員で乗り込んだ。アリーナ外周を周りながら「Be Free」を歌い、「First Step」では大量のタオルが舞った。RYOKIが「今日という日は1日だけ。あっという間に終わっちゃうんだよ?」と言うと、MANATOの透明な歌声が響き、二度とない瞬間の尊さを歌った「Moment」へ。LEOがRYUHEIの肩を抱き、〈目を逸らさず 確かめ〉と歌うと、RYUHEIは嬉しそうにLEOの目を逸らさずに見つめる。その後RYOKIがRYUHEIの隣に来て、おどけるような表情をRYUHEIに向けた。今だけの瞬間を7人が心底楽しんでいることが伝わってくる。

MANATO、RYUHEI、JUNON、LEOの歌声に5万人が酔いしれたユニット曲「Softly」、時にシルクのように柔らかく、時に棘のように刺す7人の歌声が交錯した「SOS」。「Don’t Wake Me Up」ではSOTAが歌っている前でMANATOとRYOKIがいたずらっ子のような動きをする等、ドームでもBE:FIRSTは自由だ。サビで7人が一斉に高くジャンプをし、ドームが揺れた。

サングラス姿のRYOKIが「初めて東京ドームに立つアーティストが史上最強に暴れてやろうと思うんだけどどう思う?」と挑発し、SOTAとSHUNTOとのユニット曲「Spin!」に雪崩れ込んだ。「Spin!」組以外のメンバーが運転する3台のバギーに分かれて乗り込み、ラップをかましながらアリーナエリアで縦横無尽にパフォーマンス。SOTAの情感たっぷりのラップでもって「Salvia」へバトンタッチ。表現力の権化のようなRYUHEIの歌が5万人を圧倒し、7人それぞれの立っている場所がリフトアップし、7つの小さなステージが出現。最後RYUHEIが〈この空に溶けた〉と歌ってゆっくりとサングラスを外し、艶やかな視線をオーディエンスに送り、「Salvia」は幕を閉じた。

7人のハイトーンボイスと軽やかなステップが交差し、切なさを極限まで高めた「Grow Up」から一転、「Smile Again」でドームは春風が吹いているかのようなムードに包まれた。7人が乗ったステージがアリーナ席の上をムーブ。できる限りたくさんのオーディエンスの近くに行こうという思いを溢れさせながら、BE:FIRSTと5万人の出会いを祝福するかのように銀テープが舞った。

プレデビュー曲「Shining One」。RYUHEIが〈Shining One〉と歌う前でSOTAとSHUNTOが嬉しそうに拳をぶつけ合った。SOTAが2番に入る前、「やっと来たよ、BESTY!」と感慨深げに口にしたと思ったら、RYOKIは〈もうすぐ追いつく あの日目にした東京ドーム!〉と歌詞を変えてラップ。約束の地、東京ドームで始まりの曲「Shining One」を歌う7人の姿が眩しい。RYUHEIが「アウェイな場所も乗り越えて、東京ドームというホームで皆さんと顔を合わせられたことを本当に嬉しく思います。ここはゴールじゃありません。もっと先に一緒に歩いていきたいです。力を貸してください!」と言った後、溢れた涙を拭いながら、「僕、こんな良い人生、生まれ変わっても歩めません!」と叫んだ。その後7人はぎゅっとかたまって、誇らしげに右手人差し指を掲げた。

スクリーンにLEOが映り、「今日この瞬間だけ、僕たち7人に3分時間をください」と丁寧に断りを入れてから、7人からのSKY-HIへのメッセージ映像が流れた。SKY-HIが勇気と危機感を持って「THE FIRST」を立ち上げなかったら今の自分たちは存在しない。心からの感謝の気持ちとこれからを約束する言葉がそれぞれの口から語られた後、「THE FIRST」のテーマソング、「To The First」のイントロが流れた。SHUNTOが〈あの日夢物語と笑われた その夢を超えるため走り出そう〉と歌い、今まさに夢を超えていこうとする7人の姿が目に入った。JUNONが〈その炎を燃やせ〉と歌い、ステージから勢いよく炎が上がった。

Rolling Stone Japan 編集部

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