VIGUメンバー&音楽制作チームが語る、「アイドル」ではない新時代の楽曲

―そして最初に生まれた楽曲「Breaking Bud」は、かなりアグレッシブな曲ですよね。

Born.Crush:Bull$EyEといろいろな方向性をやり取りしながら、理想系を探していったんです。完成までに何回もメロディ、構成、アレンジが変わり、たくさんの人でレコーディングもしました。今RIRYDAYになったメンバーが、この曲の原型、プロトタイプの楽曲を歌ったこともあります。その途中で、原点に立ち返るじゃないけど、理想の形を緻密に作っていくことにして。何秒の場所にこのメロディを入れてほしい、とか、こういう構成で行こうとか、すごく複雑なことを2人で作っていったんです。

Bull$EyE:Born.Crushさんはすごいディテールにこだわる人で。こういう歌は韓国にないと思います。だから私が学ばせてもらっている部分が多いです。

Born.Crush:曲中で何度もテンポチェンジをしていて。このブロックはこのテンポ、BPMって指定して作っていったので、どういう意味なんだろう?と思ったのかなって。

Bull$EyE:たしかに、韓国ではあまりしない作り方です。それがいいんだと思います。

Born.Crush:ハイブリッドってことだよね。

Bull$EyE:確実にそうですね。日本と韓国だと作る方法が全然違って。Born.Crushさんと一緒にやるからこそ、新しいスタイルができているんです。

Born.Crush:ケミストリーというか。新しいものを作ろうという考えから始まっているから。そういう意味では、VIGUは多分本当に聴いたことないものになっていると思いますね。

―ハイブリッドという点でいくと、最も日本らしい部分と、韓国らしい部分はどういう部分なんでしょう?

Bull$EyE:例えば、「LALALALA YES BREAKING BUD」っていうサビのメロディは、韓国のスタイルではないメロディです。Born.Crushさんが教えてくれたAdoさんを聴いてから新しい感覚が出てきて、その感覚をこの曲に入れることができたんじゃないかと思います。日本スタイルは破壊的っていうか、前に出す感じでやるスタイルが多いと思います。ロックっぽいスタイルが日本は多い。韓国はヒップホップスタイルが多いです。

Born.Crush:そう! それを合体したかったんです。

Bull$EyE:1番はロックっぽい感覚があり、2番はヒップホップっぽい感覚があります。私は20人くらいのチームで楽曲を制作しているので、色々挑戦することができているのかなと思います。なんでもやっていいよ!って言ってくれるので、挑戦的になれるんです。

ーBull$EyE さんは、4人の声質については、どういうことを思いますか?

Bull$EyE:とてもいい質問です。私が考えるに、RAREがVIGUで1番強いイメージを出せる声を持っていると思います。そこに対してAYAとYUMEはあったかくて柔らかい声質。HONOは、歌が上手い。4人の強弱のバランスがすごいいい感じ。みんなが強いわけでもないし、弱くもない。どんな曲を作っても飽きないと思います。

メンバー:うれしいです!

Bull$EyE:あと、何度も言うけど、HONOは歌がめっちゃうまい。みんな、それぞれ色があります。Born.Crushさんが彼女たちを好きな理由がわかります。

―もう1曲の楽曲「Walking Dead」は、日本と韓国で作った曲だそうですね。Bull$EyEさんはミックスとマスタリングと歌の仕上げをしているそうですが、この楽曲についてはどのように感じていいますか?

Bull$EyE:まず、すごく好きな曲ですし、確実に韓国にはないスタイルの曲かなと思います。日本にも韓国にも、カレーはあるじゃないですか? でも、どんなに頑張っても、韓国では日本のようなカレーは出すことができない。そういう感覚というか。そういう部分をたくさん学んだと思います。Born.Crushさんが作ったんですよね?

Born.Crush:日本でのタッグパートナー、長年曲を作っているTakashi Asanoという天才がいて、彼とのコライトです。RIRYDAYの「PinkStranger」も一緒に作りました。その彼とBull$EyEがやったらどうなるんだろうと思って、仕上げをお願いしたんです。日本の相棒はTakashi Asanoだけど、世界の相棒は君です!

Bull$EyE:ありがとう!

Rolling Stone Japan 編集部

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