リーダーのジョッシュ・オムを中心に、流動的なメンバー構成で活動するクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ。その音は一貫して、オルタナ・ヘヴィ・ロックだが、5作目はまさに彼らの真骨頂ともいえる出来。ほかの作品と同様、緻密に作り込まれ、磨き込まれている。そして、いかがわしいロックのスリルを求めるリスナーに、ストレートに作用するのだ。前作はどこか暗いムードの漂う作品で、取っつきにくい印象を与えていた。しかし今作では、のっけからラウドでいびつなギター・サウンドに耳が捉えられる。抑えめのギターがガリガリ鳴り、パーカッションがドコドコ響く「ミスフィット・ラヴ」などは究極のクイーンズ的名曲だ。 今回のアルバムで驚くべきとこは、70年代末に活躍したテクノ・ポップ・ミュージシャン、ゲイリー・ニューマンの影響が聴き取れるところだ。まったく違う取り合わせに思えるが、そこかしこに、あの年代のシンセのフレーズが鳴り響いているのだ。つまりジョッシュは、どこからでも貧欲に、いいフレーズやリフをパクってくるのだ。ほかのどの曲にも共通するが、そのサンプリング感覚がジョッシュにとって、もっともかけがえのないものなのだ。

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