ポール・サイモン、隠れた名曲ベスト10

第8位 『レイト・グレイト・ジョニー・エイス』
1980年、サイモンはジョン・レノンが殺された残忍な事件にひどく動揺していた。そしてロシアンルーレットで亡くなったと言われている1950年代のR&Bの象徴、ジョニー・エースまでさかのぼり、若くして亡くなった大勢のロックアイコンに思いを馳せた。この曲に描かれているのはサイモンのロンドン時代、サイモン&ガーファンクルがブレークする前のことだ。完成した曲は1981年にセントラル・パークで行われたコンサートで初披露され、その2年後、アルバム『ハーツ・アンド・ボーンズ』に収録された。レノンの没後20周年を迎える2000年のツアー以降、サイモンはこの曲を演奏していない。

第7位 『アメリカの歌』
サイモンが1973年のアルバム『ひとりごと』の制作を始めた頃、アメリカはいよいよ崩壊に向かっていた。ベトナム戦争はようやく終わろうとしていたが、戦争はこの国に大きな傷を残し、続いて起こったウォーターゲート事件は憲政上の大事件となった。サイモンは、『アメリカの歌』の中でメイフラワー号から「海へこぎ出す自由の女神」まであらゆることを引き合いに出し、自身の悲しみを歌に込めた。
ビルボードホット100で最高35位を記録した完璧に美しいこの曲は、「隠れた名曲」ではないという意見もあるかもしれない。しかし、ラジオでかけられることはほとんどなく、ヒット集『ネゴシエイションとラブ・ソングス 1971〜1986』にも収録されていないことから、大変際どい判定ではあるが、ランクインさせることにした。

Translation by Satoko Cho

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