[ALEXANDROS]ライブレポ「孤高に生きるロックスターが、3万5000人と作り上げた熱狂空間」

2018年8月16日、ZOZOマリンスタジアムで開催された『VIP PARTY 2018』(Photo by AZUSA TAKADA)



再び視線はスクリーンへ。映し出されたのは、[Champagne]からの改名を発表した『VIP PARTY 2014』だ。ライブ映像の合間には、アレクサンダー大王らしき人がシャンパンを飲み干す映像も挟みこまれ、[Champagne]の軸を血肉にしたまま[ALEXANDROS]として進み始めたことを表現しているようだった。改名日のライブ映像と重なるようにステージが映し出され、あの日と同じ光景が「Droshky!」より再現される。軌跡をなぞるように「初めまして[ALEXANDROS]です!」という川上の表情は、4年前のような無邪気さは残しつつも、[ALEXANDROS]として積み重ねてきた自信を感じさせた。

「Run Away」では会場中から掲げられた手が、少しでも彼らに近づかんと精一杯に伸ばされる。曲の途中から雨がタタタタとリズムパターンを刻み始めたが、それすらもはや演出のよう。ヒーローに、ちょっとした壁はつきものだ。「Girl A」で音の弾丸を2階席まで撃ちこみ、繋がれたのは「ムーンソング」。村田一族やキーボディストのROSEが生み出すサウンドは心地よく、庄村のビート一つひとつに丁寧な和音が重なっている感覚があった。彼らの後ろで眩しく輝く特大の満月は、心に雲がかかった時に光となってくれる[ALEXANDROS]そのもの。彼らが3万5000人のオーディエンスにとって、紛れもない希望であることを表していたようだった。


Photo by AZUSA TAKADA

ほぼ休みなく12曲をぶっ通しで演奏し、リクエストコーナーへ。MCでは、雨が降っていたらサブステージが使えなかったことを告白。「みんなのおかげで持ちこたえました」と川上ははにかんだ。サブステージ中央にセッティングをし、5万通を超えるリクエストの上位10曲がダイジェスト形式で演奏された。隠れた名曲として名高い「Waterdrop」、バンドの決意を歌った「Thunder」など計8曲を続けて披露。第3位は先ほど演奏した「Starrrrrrr」だったので演奏しない予定だったようなのだが、ファンからの熱望によりワンコーラスを披露。観客をびっくりさせようとメンバーは途中で演奏を止めたのだが、それでも合唱を続けるCREWの姿に[ALEXANDROS]側がびっくり。一方通行ではない、双方のコミュニケーションで大きくなってきたバンドなのだと感じずにはいられない一幕だった。川上が「みんな、失恋ソングには弱いんですね」と告げ始まったのは、リクエスト第一位の「Leaving Grapefruits」。誰かを慈しむような川上の視線の先には、一体なにが映っていたのだろうか。


Photo by 河本悠貴

ライブもあっという間の終盤戦になり「これからの[ALEXANDROS]をお見せしたいと思います」という川上の言葉により、新曲の「LAST MINUTE」へ。メロウなリズムのスローロックに箱なりを活かした白井のギターソロを乗せる構成は、今の時代で通用する音楽を汲みつつも彼らの根底にあるロックンロールを活かす楽曲となっていた。そして、彼らのアンセムのひとつともいえる「明日、また」になだれ込む。ステージを端から端まで歩きまわり、一人ひとりの顔を胸に刻みながら歌いあげる川上の姿は「また会えるように」と願いをかけているよう。ラストのサビでは銀テープが発射され空を舞い、直後には雨も止んでいた。磯部のボンゴソロで始まる「I Don’t Believe In You」、歪んだギターサウンドが鋭く突きさす「Mosquito Bite」とラストスパート。最後は庄村を中心としてステージ中央に集まり、4人で息を合わせたセッション。もっと小さいステージに立っていた時代から、こうやって音を重ねてきたのだと思うと4人の背中がとても愛おしかった。全25曲をバテることなく完遂し、川上の「愛してるぜ!」で本編を締めくくった。


Photo by 河本悠貴

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE