Instagramを悪用したドラッグ販売が横行中

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Instagramのアルゴリズムを利用し、ディーラーたちはドラッグを検索したユーザーに向けて執拗にドラッグの宣伝を配信。薬物依存になりかかっている脆弱なユーザーは、その誘いに負けて購入してしまう。

Instagramのアルゴリズムは、ユーザーの関心を絶えず解析するよう設定されている。ユーザーがどんなアカウントをフォローしているか、どんなハッシュタグを使い、クリックしているのか。どんな投稿に「いいね」したのか。これらの情報をもとに、アプリを立ち上げるたびに類似した内容の新規投稿が現れ、ユーザーはスクロールを続ける。たとえば、#avocadotoastとタグのついた友人の画像をタップすれば、Instagram上に投稿された他のアボカドトーストの画像が自動的に登場するようプログラムされ、画像を見逃す心配はない。

しかし、こうしたInstagramの超カスタマイズなコンテンツ配信技術には、ダークな一面もある。Facebook同様、ドラッグの処方箋の偽造かつ/または濫用が横行する公開取引所と化しつつあるのだ。ワシントンポスト紙によれば、#adderallのようなハッシュタグをクリックしたり、あまたドラッグディーラーのアカウントのうちのひとつの投稿に「いいね」しただけで、たちまち自分のフィードは同様の投稿であふれ、ドラッグ関連のハッシュタグやアカウントをフォローするようお勧めされてしまう。ドラッグを買う気などまるでないユーザーにとっては、違法コンテンツが突然流入してくるのは迷惑極まりない。だが、薬物依存になりかかっている脆弱なユーザーには、Instagramのアルゴリズムが彼らを積極的に誘惑の道へと引きずり込むことになる。

「ドラッグをいったん服用すると、脳がもっと薬物を欲しがるのと同じように、ソーシャルメディアのプラットフォームのサイト構造も、たった1回違法ドラッグを検索しただけでアルゴリズムが書き換えられ、誘いに弱いユーザーにドラッグを宣伝するように作られているのです」 長らくテクノロジー対策のアドバイザーを務めるリック・レイン氏は、ワシントンポスト紙にこう語った。

違法コンテンツは、火の粉が飛び散るがごとくソーシャルメディア上に急速に広がっているため、閉鎖しようとしても追いつかない。

「現在の我々の技術は、あらゆる投稿の中から、違法ドラッグ売買目的の投稿と、たんに疲れたから精神安定剤を飲もうとする人々の投稿とを振り分けるまでには至っていません」と、Facebookのグローバル・マーケティング・ソリューション部の副部長、キャロリン・エヴァーソン氏もワシントンポスト紙に語っている。「我々の規約に完全に違反しているものの、うまいこと目を逃れている投稿もあるのは確かです。我々も、こうしたコンテンツに徐々に対応できるようになりつつあります」。


Translated by Akiko Kato

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