『ロケット・トゥ・ロシア』から『サブタレイニアン・ジャングル』まで、ローリングストーン誌読者の人気投票による、ラモーンズのアルバムトップ10ランキングとそのアルバムにまつわる話を紹介。
運命はラモーンズに優しくはなかった。(ニューヨークの)クイーンズ出身のこの4人組バンドはパンク・ロックの発展に中心的な役割を果たしたが(実際、過去40年で最も人気のあった音楽である)、ヒット・シングルと呼べるものはなく、彼らは最後のライブを迎えるまでライブハウスでライブをし続けた。2000年代に入り、ついに彼らは世の中に評価され始めたが、それはジョーイ、ディー・ディー、ジョニーが数年の間に立て続けに亡くなった頃であった。2014年7月にトミーが亡くなったが、それはバンドのオリジナル・メンバーが1人もいなくなってしまったということを意味していた。彼らが残した功績は成長を続けており、新しいドキュメンタリーや書籍、2014年にはマーティン・スコセッシ監督の映画が計画されているとのニュースも報道された。米ローリングストーン誌の読者投票による、ラモーンズの人気アルバムを発表する。結果は以下のとおりである。
10位『プレザント・ドリームス』
1981年初期に『プレザント・ドリームス』の制作に取りかかり始めた頃、ラモーンズは意気消沈していた。ジョニーがパンクらしい曲を作り続けたがっていた一方、ジョーイは曲にポップ要素を取り入れることを望んでいた。ジョニーがジョーイの元ガールフレンドと付き合っていたことやマーキーのアルコール依存がひどくなっていたことも状況をさらに悪化させていた。このアルバムの1曲目のシングル「エアウェイヴス」には彼らの決意がはっきりと込められていたが人々には届かなかった。「KKK」のような見事な曲をリリースした時ですらラジオは彼らに見向きもしなかったのである。