imaseとなとりが語る、共演イベント『Juice』の意義、新世代のスタンス

左から、なとり、imase(Photo by 是永日和/Illustration by オドリ)

imaseとなとり。SNSの影響力が肥大化した2020年以降の音楽シーンを語るうえで欠かせない存在であり、多くの音楽・映像や情報をインプットしながら自己プロデュースの感覚が鋭い新世代を代表する存在であることから、私自身、とても興味深く彼らを追いかけてきました。

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二人の初対談を行ったのは、昨年末(記事公開は今年2月)。当時から「一緒に曲を作りたい」と話していた彼らは、今年8月になとり & imase名義で「メロドラマ」、imase & なとり名義で「メトロシティ」という2曲を完成させました。どちらも「時代も国境も越えて残る、上質なポップスを生み出したい」「リスナーにとって古今東西の音楽への入口になるような楽曲を作りたい」といった二人の願いが叶った楽曲になっていることを感じます。

そしてついに、imase、なとり、そして彼らの友人であり「メトロシティ」にガヤとして参加しているjo0jiの3組によるイベントを開催することとなりました。発端は、imaseの「3組で対バンをやりたい」という一声。これまでもimaseは、尊敬する同世代や同時代のアーティストたちとコミュニケーションする喜びや、その仲間たちと「フェスをやりたい」といった夢を語ってくれていました。

2025年2月11日大阪Zepp Namba、2月16日東京Zepp Hanedaにて、3組が共演する音楽イベント『Juice』を開催します。Rolling Stone Japanサポートのもと、さらに大阪公演はFM802の開局35周年記念イベントとのコラボレーションによって、実現できる運びとなりました。コロナ禍が明けて再びフェス・イベント乱立時代に突入していることを感じますが、「作り手が本気で楽しんでいるもの、熱狂しているもの」に人々が敏感な時代だからこそ、アーティスト本人が本気でやりたい遊びを、メディアや「大人」と呼ばれる立場の人たちが具現化する機会がもっとあっていいのではないかと私は考えています。

前置きはさておき、imaseとなとりに『Juice』開催の経緯、二人の「新世代」な感覚、そして「メロドラマ」「メトロシティ」で発揮した彼らのアーティスト性について語ってもらいましたので、あとは彼らの言葉を受け取ってください。それでは、Zepp Namba、Zepp Hanedaにてお会いしましょう。(矢島由佳子)

―ついに、imaseさん、なとりさん、jo0jiさんの3マンライブを発表させてもらいました!

なとり:やばい、楽しみだね。

imase:めっちゃ楽しみ。

―そもそものきっかけは『imase Tour 2024 “Shiki”』のZepp DiverCity公演を終えたあと、imaseさんが「対バンやりたいですね」と私にDMをくれたことで。

imase:そのあと他の現場で会ったときも「やりたいですね」と話していて……実現しました!(拍手)

なとり:ありがとうございます!(拍手)

―なとりさん、jo0jiさんと、なぜ対バンをやりたかったのかをimaseさんから語ってもらえますか?

imase:活動初期から一緒にいる人って相当限られていて、その中でもなとりは一番一緒にやってきた仲なので、いつか絶対に対バンをやりたいなと思っていて。そのときはまだいつからコラボ曲を制作するかとかも決まってなかったんですけど、本当にいいタイミングでできて……ありがたすぎる!

なとり:嬉しいですね!

imase:jo0jiとは2年前くらい、まだサブスクに曲を出してないときから連絡を取っていて。まずjo0jiの曲が大好きで、色々話してるとフィーリングも合うし、すごくいいやつで仲良くしてくれて。なのでぜひ一緒に対バンができたらなと思って……本当に幸せですね。

―今年2月に公開したimaseさんとなとりさん対談のときに、imaseさんからなとりさんへ「jo0jiを紹介するよ」という会話をされていましたよね。

なとり:今年の3月か4月くらいに、初めて3人で焼肉を食べにいったんだよね。あのときも深い話をいっぱいした気がする。「今後どうやって活動していこうか」みたいな、ある種すごく大事な話もしたよね。

imase:どうやって曲作ってるの?みたいな話もしたね。

なとり:DAW(音源ソフト)何使ってる?とか。そこでも「対バンやりたいね」って話してたもんね。

―同世代で肩組んでみんなで一緒に頑張りたいという気持ちが、特にimaseさんは強いですよね?

なとり:それはすごく感じます。「imase同盟」とか、後々できるんじゃないかなって本当に思う。

imase:その名前は恥ずかしすぎる!(笑)

―jo0jiさんをインタビューさせてもらった際、jo0jiさんもimaseさんのことを、この世代の人たちを積極的につなげてくれるハブ的存在だとおっしゃってましたよ。

imase:ええ、嬉しい。

なとり:それこそ、俺とjo0jiなんて、imaseくんのつながりがないと出会ってないし。

imase:でも俺、わりとフットワーク重いよ(笑)。地元にいるときから、誘われたら行くけど、自分からは「ご飯行こう」とか誘えないタイプ。でもたしかにimase経由でつながって仲良くなってることはありますね……なんでだろう? みんな優しいから、優しい人同士のつながりで仲良くなるんですかね(笑)。

―それはimaseさんが優しいから引き寄せてるんじゃないですか? jo0jiさんのライブにはどんな印象を持ってますか? こないだjo0jiさんが東京でライブをやった際、現場でimaseさんとお会いしましたよね。

imase:なんか……すごいっすよね。そもそも歌がめちゃめちゃ上手いし、感情の乗せ方が独特だし、最近のアーティストにあまり感じない歌謡っぽい雰囲気もあって。もう貫禄もあるし、凄まじいですよね。



なとり:すでに自分だけのグルーヴができている感じがするよね。

imase:そう。唯一無二でかっこよすぎる。

―jo0jiさんは、imaseさんとなとりさんは自分にできないことをやってると言ってましたよ。

imase:ええー!

なとり:嬉しいね。

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