RADWIMPSと共演した新星ラッパー、MIYACHIが語るヒップホップと日米のルーツ

ーそのあと、程なくしてイベントのゲストとして日本に呼ばれ、渋谷のWWWでライブを披露していましたよね。オーディエンスの皆さんもすでにMIYACHIのことをチェックしていて、リリックを合唱している人もたくさんいてびっくりしました。

MIAYCHI:最初の来日の時のインパクトはすごかったですね。17歳くらいから日本には戻っていなかったし、しかも(母親の実家の)福岡にばかり行っていたから、東京のことはあまり知らなかった。渋谷も全然行ったことがありませんでした。だから、あの時初めて東京で遊んで、いろんな人にも会って、しかもすでにファンがいるってなんかすごいですよね。あの時のことはずーっと待っていた瞬間という感じで、ずっと忘れられないです。

ー日本でのブレイクを、どのように感じていましたか?

MIAYCHI:「自分にはラップしかない」という気持ちは前からあって、たとえ人気がなかったとしてもラップを続けるしかないなと思っていたんですが、ああいった反応をもらうことができて不思議な感じでした。

ーNYの友達やリスナーの反応はどうだった?

MIAYCHI:周りの友達は、普通に盛り上がって「すごいね」って言ってくれて、サポートもしてくれました。でも今でも、(NYでの)人気はまだまだかなって。NYでいいライヴもやってるんですけど、まだまだですね。

ーMV「WAKARIMASEN」のインパクトも強いですし、それがきっかけでよりワールドワイドにMIYACHIの名前が広がったのでは? そもそも、あの曲はどんな経緯でできたものだったんですか?

MIAYCHI:最初、トラックを先に作ったんですけど、その時「次は大きい曲を作らないと」と思っていたんです。だから、ハマりそうな言葉を探して、「英語わかりません」にたどり着いた。この言葉は半分は冗談で、半分はもっと深い意味があるんです。



ーアメリカ生まれ、アメリカ育ちのMIYACHIさんが「英語わかりません」と繰り返すフックはとても皮肉だし風刺が効いていますよね。

MIAYCHI:そうそう、わざとそうしたんですよ。

ーそこには、アジア系アメリカ人として人種的な問題も意識した結果ですか?

MIAYCHI:はい。このこと、分かってくれる人は絶対僕の気持ちが伝わると思います。警察からも立ち止まらされて「Do you speak English?」って聞かれたこともあるし。外国人にとって、アメリカは色々問題があるから。その問題と(歌詞が)繋がったら、すごく深いい意味を持つ曲なんです。

ー実際にこの曲を効いたリスナーからそういった感想をもらうことはありますか?

MIYACHI:あります。特に、他の国から(アメリカに)来た人からもらうことが多くて、それはすごく嬉しいですね。ハーフの人、特に日本のハーフの人からいつもメッセージをもらいます。

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