サマソニ現地レポ ザ・チェインスモーカーズが花火と合唱で彩った20年目のフィナーレ

ザ・チェインスモーカーズ(Photo by Kazushi Toyota)



その後もドリューはマイクを手に歌ったかと思えば、DJ卓で演奏に参加し、時にドラムパッドを叩いたりアコースティックギターを弾いたりと、八面六臂のパフォーマンスでステージを駆け回る。バキバキのEDMから凄まじい低音が鳴り響くトラップ、ムーディなバラードと、音色とビートが目まぐるしく変化していく様は、まるでジェットコースターに乗っているかのようにスリリングだ。



生のライブ感を重視した彼らのパフォーマンスは、有名曲を繋いでオーディエンスを煽り、とにかくフロアを盛り上げるというEDM系DJの定石とはかけ離れている。とは言え、DJとしても一流だからこその卓抜したマッシュアップセンスも健在。自身の楽曲をベースとしながら、曲間でアイズレー・ブラザーズ「Shout」、ケンドリック・ラマー「DNA」、ホワイト・ストライプス「Seven Nation Army」といったヒット曲のワンフレーズを次々に挿入していくのだ。そこには、ライブアクトとしての矜持とDJとしての矜持の両方が垣間見えた。



終盤にはドリューがアコースティックギターを手にして「This Feeling」をオーディエンスと共に大合唱。その後、BPMが少しずつ加速して、ゾンビネイション「Kernkraft 400」のお馴染みのフレーズで会場を熱狂のダンスタイムへと誘い、ラストの「Something Just Like This」へ。最後のコーラスに合わせて特大の花火が何発も打ち上がり、夜空に大輪の花を咲かせた。その完璧なタイミングに、会場は長い間どよめきに包まれていた。

花火と大合唱に彩られたチェインスモーカーズの美しい歌は、夏の終わりを感じるにはうってつけのエピローグとなった。さらには20周年を祝したサマーソニック2019の締めくくりとしても、これ以上ないほどのエンディングだったと言えるだろう。世界標準のアーティストが揃う数少ない日本のフェスとして、サマーソニックは今年もその重要な役割を見事に全うしてくれた。



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