香港デモを支持したゲーム実況者が、eスポーツ大会への出場禁止処分と賞金剥奪に

規制への様々な反発の声

Blitzchungの発言に対し、Blizzard社は1年間の出場停止と、これまでBlitzchungが獲得したグランドマスター・トーナメントでの優勝賞金を取り消すとすることを発表した。声明の中でBlizzard社は、言論の自由を抑圧するつもりはないものの、Blitzchungは「自らの評判を貶める、一部または多数の大衆を攻撃する、さもなくば会社の評判を傷つける」発言をプレイヤーに禁止する大会の公式ルールに違反したと主張した。

大勢のゲーマーがBlizzard社の決定に憤慨した。中国のIT企業Tencentが同社の株を4.9%所有しているから、中国のいいなりになっているのだと非難した。反発の中から#BoycottBlizzardというハッシュタグが生まれ、Twitter上で広がり始めた。

(@Phaylenのツイートより)
ワールド・オブ・ウォークラフトから退会した。私は一生懸命自由や民主主義を訴えている若者を応援します。彼らはより良い未来を創ろうとしている。彼らの活動を罰するなんて、恥知らずもいいところよ。

(@Rachel_Aaronのツイートより)
ゲーム会社の中ではBlizzard社が一番好きだけど、今回のはファシストのでたらめだ。

(@Slasherのツイートよリ)
速報:香港のヒースストーンのプレイヤーBlitzchungの最近のインタビューを理由に、Blizzard社が彼をヒースストーン・グランドマスターズから追放、即時有効となった。賞金はすべて没収され、今後1年間プロの大会への出場できない。

Blizzard社は、香港のデモ隊を支援する発言をした人物に厳しい罰則を科した数多くの企業のひとつにすぎない。以前、ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネージャーを務めるダリル・モーリー氏が香港の活動家を支援するツイートを投稿すると、NBAは同氏の発言を「遺憾だ」として、すぐさま火消しに走った。NBAのこうした対応は、政府が抗議活動に対し強硬な姿勢を取っている中国での業務関係に支障が出ないようにするためだ、と解釈された(のちにNBAのコミッショナー、アダム・シルバー氏は少しばかり態度を和らげ声明文を発表した。「こうした問題に関して選手、スタッフ、チームオーナーがどんな発言をして、どんな発言を控えるか、NBCは規制する立場を取りません。そのような経営は決して認めておりません」)。

モーリー氏の騒動が勃発したのは、中国政府が『サウスパーク』をインターネット上で閲覧禁止にしたというニュースの直後だった。最近放映された「Band in China(原題)」という回で、中国の検閲官の言いなりになるアメリカ企業を揶揄したのが原因とみられる。「僕らもNBAと同じく、中国の検閲が家庭や思想の中に入りこむのは大歓迎です」と、番組のクリエイター陣は声明を発表した。「僕らとしても、自由や民主主義よりお金のほうがずっと大事ですから」

Translated by Akiko Kato

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