「ユダ公」「混血」と罵る白人至上主義者のアカウントが今も消えない理由

右派勢力(オルト・ライト)のリーダー、リチャード・スペンサー氏(Photo by AP/Shutterstock)



Twitterはスペンサー氏がヘイトグループと関連している事実は見当たらないと声明

この問題はもう何年も、ジャーナリストや左派活動家から様々な形で疑問視されてきた。たしかに、ウォールストリートジャーナル紙の報道によれば、2016年にTwitterのジャック・ドーシーCEOは、スペンサー氏をはじめアレックス・ジョーンズ氏といった主要な極右人物をプラットフォーム上から排除するという当初の決定を撤回したと言われている(結局ジョーンズ氏は2018年に、ローラ・ルーマー氏やギャビン・マッキネス氏とともに排除された)。

Twitterはこの報道を否定しているが、昨年Voxからスペンサー氏がまだプラットフォーム上に残っている理由を尋ねられると、Twitterの広報担当者はこう答えた。「我々は、(スペンサー氏の)排除に至るようなコンテンツ報告を受けていません」。さらに、スペンサー氏がヘイトグループと関連している事実は見当たらないとも述べた(Twitterのガイドラインによれば、ネット上か否かを問わず、市民に対する暴力を行使および/または推奨していることが判明した集団と関りのある人物は、いかなる者もTwitterのポリシーに違反したとみなされる)。

しかし、この主張は明らかに正しくない。スペンサー氏は白人至上主義者の組織、全米政策研究所の会長であり、この組織は南部貧困法律センター(SPLC)からヘイトグループに分類されているのだから。「Twitterが言うところの(ヘイトスピーチに関する)ポリシーに基づけば、彼がいまだTwitterに残っていることは信じられません」と言うのは、SPLCの上級分析官ハワード・グレイヴス氏。彼曰く、SPLCは2015年からずっとスペンサー氏のツイートに苦情を申し立てている。

たしかにスペンサー氏はTwitter上で、比較的控え目ではあるが、7万7000件という十分な数のフォロワーを獲得しており、Twitterの利用規約を回避するべく共同戦線を張っているようだ。彼の投稿のほとんどはリツイートで(「リツイートは支持とは見なさない」という非公式な見解から拝借したと思われる戦略だ)、極右思想を推進してはいるものの、Twitterの公式ガイドラインでヘイトスピーチとみなされるような意見や暴言を彼自身がツイートすることはほぼ皆無だ。「彼は実に慎重です」と言うのは、シラキューズ大学ニューハウススクールでコミュニケーション学を教えるジェニファー・グライゲル助教授だ。「彼はTwitterのポリシーに違反していないと見せかけつつ、フォロワー数を増やしています」

Translated by Akiko Kato

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