私立恵比寿中学、これからを予感させる歌の「表現力」はいかにして生まれたのか?

2019年、一番笑ったエピソード

―ところで、今年一番笑ったエピソードはなんですか。

柏木 え~。エピソードはたくさんあるはずなんだけど、すぐ忘れちゃうんですよね……。

中山 すごく最近の話になっちゃうんですけど、「ジャンプ」のMVでバスと向き合って踊るシーンがあって、その先頭にいるのが美怜ちゃんだったんですよ。それで、あるタイミングで振り返ってバスを背にして歩いていかなきゃいけないのに、美怜ちゃん1人だけバスに向かってずっと踊ってたのがすごく笑いました。

柏木 私、美怜ちゃんの斜め後ろにいたから、「美怜ちゃんっ!」ってすごい呼んだのに全然気づかなくて。

中山 バスvs星名美怜になってた(笑)。

柏木 そう!(笑)スタッフさんたちも含めてみんなで、「なんで美怜ちゃん帰ってこないんだろう」って笑ってたら、美怜ちゃんが自分の後ろに気配を感じなくなったみたいで、パッと振り返ったらうちらがだいぶ遠くにいたから、「へぇ!?」ってなってて(笑)。

真山 あれは面白かったね(笑)。それでテイク2のときに、ちょっと引きの画でリップが見えないシーンだったから、ひなたが「美怜ちゃん、行くよ!」って(笑)。

柏木 テイク2が始まる前に美怜ちゃんから「絶対わかるけど、一応言って……!」って頼まれたから、「さっきも言ったんだけどなあ……」と思いながら、「美怜ちゃん、行くよ!」って(笑)。

真山 犬の散歩みたいだった(笑)。

中山 そのおかげで、寒かったけど笑っていられました(笑)。

―グループの10年を赤裸々に振り返った一冊「私立恵比寿中学HISTORY 幸せの貼り紙はいつもどこかに」を拝読しました。個人的にはあそこまで語る必要はなかったんじゃないかとも思ったんですけど、あれはチーム・エビ中の誠意で、これまでの10年をファンと共有してくれようとしたのかなと考え直しました。みなさんはあの本に関してどう思っていますか。

柏木 自分たちも取材を受けながら、「けっこう際どいとこまで聞くなあ。どこまで話したらいいんだろう……?」って思ってたらあんなことになったっていう。

真山 確かに。

柏木 でも、ファンの方が「エビ中の知らない部分がまだまだたくさんあったよ」って気づいてくださったり、私たちが赤裸々に語ったことがうれしかったみたいで。さっき言ってくださったように、「共有してくれてうれしい」みたいな。

―そうでしょうね。

柏木 あの本は、ひとつの出来事に対してけっこう長く扱ってるところもありますよね。例えば、美怜ちゃんのこと(星名が写真週刊誌にスクープされたときの話)で私と(小林)歌穂が怒ったこととか。

真山&中山 あはは!

柏木 その出来事に関する登場人物が2人しかいない!(笑)

真山 出てくるコメントがずっと、小林柏木小林柏木……(笑)。

柏木 そう、ずっと! だけど、すごく性格がよくて人に対して怒らないと思われてる歌穂ちゃんがめちゃくちゃ怒るっていうことをファンの方は知らないから、本を読んで「歌穂ちゃんって怒るの!?」って気づいたり、知ってるようで知らなかったことをこの本でちょっとでも知ってもらえたのはよかったなって思います。

―みなさんがあの本で初めて知ったことってあるんですか。

真山 ありますよ! メンバーが6人になってから彩ちゃん(安本)がエゴサーチしたら、Twitterに「クソしか残ってねえ」って書いてあるのを見たっていう話は初めて知りました。「私たち、世間にクソだと思われてたんだ!」って(笑)。

中山 あの時に知らなくてよかったよね(笑)。

柏木 あと、大人が考えてることも普段はあまり聞くことがないから、「あ、そう思ってたんだ」っていうのはありましたね。

中山 私も、加入前の出来事をメンバーから直接聞いたことがそんなになかったので、「こんなことがあったんだなあ」って。

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