THE YELLOW MONKEY、京セラドームで見せた信念「これからも自分たちが信じるロックンロールを」

4人がセンターステージを降りると、イエローモンキーの最初のデモ音源に収録されていたという未発表曲「PENITENT」が流れ出し、過去の全ライブの日程と会場がスクリーンに映し出された。そして、チンドン屋さんと吹奏楽隊を迎えたスペシャルな編成で結成30周年を記念した楽曲でもある「DANDAN」を披露。歌詞のエピソードにあわせて、吉井とヒーセがアドリブでセリフを挟む遊び心でも会場を湧かせる。そこからはドームの熱狂を一気に沸点へと導いた「SPARK」、盛大なシンガロングを巻き起こした「バラ色の日々」や「太陽が燃えている」を一気に畳みかけて、怒涛のクライマックスへ。「このバンドは最後のひとりが死ぬまでやるんだよね?」と問いかける吉井に、3人が笑顔で頷いたり、「これからも自分たちが信じるロックンロールをやっていきたいと思います」と伝えるなど、この日は、これからもイエローモンキーを続けるという覚悟を感じるMCも印象的だった。最後に、先ほど披露した「カナリヤ」と同じく2000年頃の作った曲であり、「いつか明るい未来が待っているじゃないかと思って書いた曲です」と紹介したラストナンバーは「BRILLIANT WORLD」。暗闇から光を掴もうとするように、“最高な世界へ”と何度も歌い上げたその楽曲は、それぞれの時代ごとに、バンドが歌うべき言葉を紡ぎ、鳴らすべき音楽を届けて続けてきたイエローモンキーの道のりに無駄なことはなかったと、その30年間を高らかに誇る万感のフィナーレだった。


Photo by 横山マサト


Photo by 上山陽介


Photo by 横山マサト

アンコールでは、バンド名をあしらった巨大な電飾のオブジェがステージに掲げられるなか、「悲しきASIAN BOY」で、この日いちばんの盛り上がりを作り上げると、最後に、初日ナゴヤドームのエンディングで音源が流れた新曲「未来はみないで」がライブで初披露された。実は再集結後にいちばん最初にできていたというこの曲について、吉井は「ザ・イエロー・モンキーから皆さんへの手紙のようなもの」と説明。その想いをこぼさずに受け取ろうとするかのように、集まったお客さんはスクリーンに映し出される歌詞を見つめ、じっとその曲を聴きいっていた。

昨年末からはじまった「THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR」は残すところ4月4日、5日の東京ドームの2Daysのみ。そこで、イエローモンキーの“シーズン2”は締めくくりとなり、今後の活動のための準備期間に入るという。“30周年”と“シーズン2”のふたつの意味で集大成となるラスト東京の2日間は、彼らのバンド史に残る伝説のライブになることは間違いない。

(文:秦理絵)


Photo by 横山マサト



配信シングル「未来はみないで」
2020年3月13日発売
iTunesプレオーダー限定盤
https://tym.lnk.to/miraiwaminaidePu

【ドームツアー情報】
THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary DOME TOUR
2019年12月28日(土)ナゴヤドーム OPEN 15:00 / START 17:00
2020年2月11日(火・祝)京セラドーム大阪 OPEN 15:00 / START 17:00
2020年4月4日(土)東京ドーム OPEN 16:00 / START 18:00
2020年4月5日(日)東京ドーム OPEN 15:00 / START 17:00
https://theyellowmonkeysuper.jp/feature/30th

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