米ローリングストーン誌による、リアム・ギャラガーの最新インタビュー。ソロアーティストとして復活した彼が、オアシス再結成の条件と兄ノエルへの想いを語る。「俺をハイ・フライング・バーズに参加させて、アイツがそれをオアシスと呼ぶつもりなら、とんでもないことがヤツの身に起きるよ」オアシス解散後、落ち着いた状況に戻るまでしばらくかかったとリアム・ギャラガーは認める。2009年に楽屋で兄ノエル・ギャラガーと殴り合いのケンカをしたことでオアシスは終焉を迎えた。それは昔ながらのパートナーを分かち、二人を音楽の荒野へと放り出した。オアシスのメイン・ソングライターだったノエルは冒険的な音楽を奏でるハイ・フライング・バーズを結成し、リアムは元オアシスのメンバーたちとビーディ・アイを結成。しかし、リアムですらビーディ・アイの頃は「それほど有益ではなかった」と認める。彼らは2014年に解散し、リアムはソロの道を選んだ。曲作りはグレッグ・カースティン(アデル、シーアなどに提供)、アンドリュー・ワイアット(ロード、レディー・ガガに提供)などプロのソングライターと共同で行い、リアムは彼が最も得意とする音楽に舞い戻った。そう、オアシス時代に
デヴィッド・フリッケが「たくましいブリットポップ、ビートルズ風のバラッド」と形容したあの音楽だ。
リアムの新作
『Why Me? Why Not.』もその流れを汲んでいる。彼は「ワンス」をお気に入りの曲と呼ぶ。この曲は失敗に終わったパートナー関係を振り返った内容だ。サビの部分で「夜明けが来ると、もう一度やってみようと強く思った、しかし結局は、できるのは一度だけ」と歌っているが、これは彼がいた伝説的なバンドについて暗示している可能性がある。「このレコードで一番ユニークな曲が『ワンス』だと思うよ」とリアムは言う。
この曲のニューバージョンがリアムの新EP『Acoustic Sessions』に収録されている。これは去年9月にイギリスのハル・シティで行なった「MTVアンプラグド」で演奏した曲を収録したサプライズ・リリースだ。また、「ワンス」のMVも公開された。これにはマンチェスター・ユナイテッドで活躍したサッカー選手エリック・カントナが主演している。監督は、リアムのソロ活動への旅路を描いた昨年のドキュメンタリー
『Liam Gallagher: As It Was』を作ったチャーリー・ライトニングだ。昨年末、リアムは新しい音楽、兄との苦悩に満ちた兄弟関係、オアシス再結成の条件について語ってくれた。今週、リアムは「兄ノエルがオアシスの再結成ツアーのギャラ1億ドルを蹴った」とツイートし、ノエルは「そんな話は聞いたこともない」とリプライした。そして同じツイートで「シングルのプロモーションをしたいヤツがいることは十分承知しているし、そこに混乱が起きているのかもな」と続けた。
―最新アルバムはしばらくぶりに出た傑作だと思います。リアム:ああ、俺もこのアルバムが大好きだ。良い曲もけっこうある。俺、アンドリュー(・ワイアット)、グレッグ・カースティン、サイモン・アルドリッジでやると良い結果がでるんだ。連中のような良いソングライターがいて、今の俺はラッキーだよ。
―2枚目のソロアルバムということで、難しさもあったのでは? 1枚目なら何でもできるじゃないですか。リアム:どうだろう、2枚目でも1枚目と大差なかったよ。1枚目と全く違うことはしたくなかった。だから同じことをもう一度やったよ。つまり、良い曲、良いプロダクション、良い声、良い歌詞ってこと。その点では3枚目も同じだな、たぶん。このジャンルの音楽が一番好きだし、俺のファンが好きなのもこのタイプの音楽だと思うし……わかるだろ? 俺たちがレゲエのレコードを作るなんて絶対にない。レゲエに異論があるわけじゃないし、レゲエも好きだよ。でも、俺は自分の音楽がどんなものか知っているし、今後もそれを続けるってことさ。
―ソロになってソングライターに転身してみて、今のところどんな感じですか?リアム:う〜ん、ソングライターとしての自分はまだ信用できない。どっちかと言えば、俺はシンガーだから。ちょっと慣れない感覚だ。でも俺一人で1曲まるまる作ったら良い曲にはならないと思う。手助けが必要だよ。だから、仕事のできる連中に曲を任せたいと思うわけだ。アルバム1枚分の曲を作ることはできるよ。でもラジオで流してもらえる曲はゼロだろう。な? わかるだろ? みんなに自分の曲を聞いて欲しいんだよ。