NCT 127が語る野望「メンバーが一緒になって生まれるシナジーは最高さ」

「競争相手は自分だ、他の誰でもない」

この“脆さ”はこのアルバム全体で見え隠れするテーマの一つで、歌詞も“自信”から“報われない愛”まで広範囲に渡っている。K-POPの音楽はしばしば「バブルガム」と見なされることがあるが、『Neo Zone』に収録されている楽曲にはそんなステレオタイプを満足させる軽快さは一切ない。楽曲「Dreams Come True」で、彼らは成功を手にするためのプレッシャーを歌い、「競争相手は自分だ、他の誰でもない」と宣言する。

大胆な「Sit Down」では、ディロン・フランシス的要素を意識したようなカミナリのようなビートの上で無名のライバルに呼びかける。

座れ、俺に指示するな
座れ、どうなればいいか教えてやるよ
座れ、黙れ、閉じ込めろ、座れ
起き上がるな、立ち上がるな
お願いだ、手をあげないでくれ
そして、もう一度言わせないでくれよ、座れ

バラッド曲ですら影がある。シンセ・サウンドで奏でられる「Not Alone」では、彼らは名声の代償を考えたのち、一緒に挑戦し続けることを再確認し、「独りじゃないって感じられるかい?」というコーラスで曲が終わる。

『Neo Zone』はすべての配信プラットフォームでドロップされるほか、3種類のフィジカル盤もリリースされる。N盤、C盤、T盤と名付けられ、それそれが数量限定CD盤で、独自のパッケージ、写真、独占付録がつく。また、彼らは野心的なプロモ・ツアーを行ない、それが終わると、彼らは2020年の北米ツアーのリハーサルに入る予定だ。ツアーは6月5日のニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでスタートし、6月21日のシアトルで終わる。この新作もそうだが、今回のツアーで去年からグループを離れていたジョンウがNCT 127に戻ってくることになった(原因は健康上の問題とされている)。

全11公演がソールドアウトした昨年の全米・カナダ・ツアーに続く今回のツアーには、マークのふるさとであるカナダのトロントと、ジョニーのふるさとシカゴでの公演も含まれる。(特にアジアのグループにとって)参入することすら難しい北米の音楽市場に彼らは無事参入したわけだが、目指すものはもっと大きいと言う。

「アメリカのオーディエンスの前に立つのは最高の経験だし、去年のツアーのときにアメリカのファンに約束したことでもある」とSMエンターテインメントにスカウトされて10代で韓国に移住したマーク。そして「世界中に自分たちの音楽を広めることが以前からずっと持ち続けている目標だ。その点でも北米ツアーはとても大きな意味がある。しかし、世界中のファンに会いに行く計画も進行中だ」と続けた。


Courtesy of SM Entertainment

「もちろん、僕たちは常に成長する機会を与えてもらって嬉しい。ただ、北米ツアーの準備をしているとは言え、メンバーが心の中に抱いている目標はアメリカでの成功だけじゃない。常に世界中のファンとオーディエンスを考えているし、そんな彼らのために一生懸命やることを意識している」と、ジェヒョンが付け加えた。

Translated by Miki Nakayama

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