パノラマパナマタウン、オンライン公開で作り上げた「じゃじゃ馬サーフロック」

第3週



岩渕:この曲の完結編、シーズン1最終章ですよ。ずっと進化してきた「Rodeo」がどうなるのか。ボーカルも入れてミックスもし直しているということで、聴いてみましょうか。普段は、最初に仮歌を入れてデモ作って、そこにギター、ドラム、ベースを入れてアレンジしていって、バッチリカッコいいインストができる。そこに歌を入れ直して、歌詞も付け直すっていうパターンが多いよね。歌詞も最初のデモとだいぶ変わっているんですよ。最初のデモは語感を重視するので、適当な日本語なんです。ほぼ意味がない言葉で、語感だけで作っていくっていうのを最初にやってて。そこから歌詞にしていくんですけど、今回は最初にワンダーって歌ってたところが印象的やったけん、ワンダーを残したいと思った。でも、いきなりワンダーって言われても意味分からんだろうなと思って。なので、ワンダーを言い換えようと思った時に悩んで、「あんたー」っていうのが思いついて。「Rodeo」は最初から振り回される曲にしたかったから、「あんた 手に負えない」っていう歌詞にしようと思って。そこから順番に書いて、基本はわがままな女の子に振り回されるっていう歌詞になってます。サビのリズムは、タッタラタッタラタラララランランって感じじゃないと気持ちよくないなと思って。

タノ:ちょっと跳ねている感じだよね。

岩渕:そのリズムにハマる言葉でサビはいこうと思って、あっちもこっちも、にっちもさっちもみたいな、タッタラタッタラにハマる言葉の大喜利で(笑)。結果、「あっちこっちへ走り回って えっちらほっちら振りまわされて さっぱり何にも分からなかった」になりました。リズムを意識した感じですね。

タノ:結構コメントでも言ってくれてる人がいるけど、最後のブレイクの「君は暴れ馬」って歌うところは、最初に聴いた時印象的だった。あれ結構音高いやん。俺は声出んもん。

岩渕:あとやっぱりポリープは治ってからの声って感じがするな。「On the Road」も今回のレコーディングもオンラインでやってちゃんとした録音設備でやってないけど、ミニアルバム『GINGAKEI』までとはやっぱり手術した後やけ、それで声が通るようになったところとか出せるになった音域ともあった。張り上げなくても、歌が入っていく歌い方が徐々にできるようになってきたな。

タノ:ライブでも本番レコーディングでもね。



浪越:僕がミックスをしていて、岩渕の声で気づいたところが何箇所かあって。ポリープが治って、今回の「Rodeo」の「君は暴れ馬」って声張るところが、めっちゃ出るようになっているなと思った。それと同時に、無理して歌ってない感じがして。「君は」のkの発音とか、ワンダーのダの濁点とか結構丸っこいんよ。そこをカッコよくしようと思って、そこの帯域をキュッとして「き」が強くくるようにしたんで。岩渕の元々の歌い方があるのを上手く聴かせられたかなと思って、自分的には嬉しいですね。

岩渕:「君は」のところはディストーションっぽくしたいなと思ってさ。だから多分声自体が潰れてんのよね。普通にミックスしたら多分埋もたり潰れると思うけど、そこに手を加えてくれた。

浪越:誰よりも岩渕の声を聴いて練習してたから、そういうのに気づいたりして面白かったですね。あとこの曲ってさ、古めかしい感じを出すのが難しかったんですよ。古めかしくすることで音が小さくなる、ノイズが乗るわけよね。そうなっていくと、ノイズまでボリュームとして換算されちゃうから、上手く調整してボリューム上げていくのが難しかったね。

岩渕:でも、聴きやすいけど荒削りっていうのはできている気がする。

浪越:ミックスって終わりがないな。終わりがないし、自分の欲を出したらいけないっていうことを学んだね。元々岩渕が歌っている声をうまく混ぜて、方向を一つにまとめるっていうのがね。普段はミックスもエンジニアさんにやってもらってるけど、それを自分でやることによって、そういう部分をなるほどねと思いました。

岩渕:「Rodeo」はYouTubeに上がっているので、また何回も聴いてみてください。女の子がテーマと言いつつも、何重も意味がある歌になっているので。なんかの例え話かもしれないし、何回も聴いてみてください。次回からはシーズン2、新しい曲に取り掛かります。

Rolling Stone Japan 編集部

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