トーべヤンソン・ニューヨーク(TJNY)のギタリスト、アートディレクター/グラフィックデザイナー森敬太による連載「リアリティ・バイツ」第7回は、リモートでTJNYのメンバーたちが本連載初の全員集合! 激動の時代に不要不急の余談を繰り広げる!(2020年6月19日、オンラインにて収録)
座談会参加者:森敬太(ギター担当、グラフィックデザイナー)/オノマトペ大臣(ラップ担当、サラリーマン/ラッパー)/西村ツチカ(ギター担当、漫画家)/澤部渡(ドラム担当、ミュージシャン)/唐木元(ピアノ担当、ミュージシャン)/玉木大地(キーボード担当、プログラマー)/金子朝一(ボーカル/ホイッスル担当、漫画家)/mochilon(ベース担当、ミュージシャン)
※この記事は2020年7月28日に発売されたRolling Stone Japan vol.11に掲載されたものです。
・もうだめだよ
森:ニューヨークは何時なんですか?
唐木:朝6時半だよ。もうだめだよ。
大臣:(笑)。申し訳ないですねー余談のために早朝から。
森:大臣のマイク、集音性能の低さすごいね。蚊の鳴くような声だよ。
大臣:え? 普段これで会議してますよ?
もち:忖度があったんでしょうね。
森:Zoomで打ち合わせすること増えてきたんだけど、まだ慣れないねー。年配の人と打ち合わせすると相当な高確率で音声が届かないんだよな。会議室に入ったら数人の老人が一斉に身振り手振りで「聞こえない聞こえない……」ってアピールしててさ。胸を掻きむしるように。地獄の扉を開けちゃったのかと思うよ。
玉木:あれ? 西村さん引っ越したんですか? その後ろの段ボール。
西村:これは1年前に引っ越してきた荷物がまだ積んであるんですよ。匂わせです。
森:引っ越しの匂わせ。
大臣:不思議な世界観ですね。
・洛外 Lives Matter
森:皆さんどうなんですか? 自粛期間どうお過ごしですか?
唐木:地獄だよ。
一同:(笑)。
唐木:この中には俺以外の感染者いないの?
森:本場からの問いかけは重量感が違うな。
玉木:唐木さんのところはもう周り人歩いてるんですか?
唐木:もうね、みんな気が緩みまくってる。街中盆踊りみたいだよ。
森:緩んだとしてもそのテンションまでいきます?
唐木:この1週間は花火ブームだね。そこら中で撃ち合ってんの。打ち上げ花火を水平に構えて。
森:それはそれで盆踊りではないですよ。
もち:近代国家とは思えないですね。
唐木:京都の不良とやってること同じだよ。
森:出た東夷。
西村:興味ありますねその偏見。
唐木:若い時京都でヤンキーが花火撃ち合ってるの見てカルチャーショック受けたの。「こうやる人がいるのかー」って。
森:僕京都出身ですけどそんなの見たことないよ!
唐木:ほんとだって。向島ってとこ。
森:宇治じゃん。京都市内の人に言ったら京都じゃないって言われるよ。
唐木:うわ! ものすごいレイシズム感じた!
森:いまだに京都市内と市外で見えない壁がありますからね。僕の実家なんて鬼が住んでる山ですよ洛中のお公家さんから見たら。討伐の対象。
もち:洛外 Lives Matterですね。
森:ほんとだよ。洛外の人の命もそれなりに大事だよ。