歴史の転換点となったBlack Lives Matter、創始者が語る「人種差別抗議」の真意

BLMがもたらした問題意識の変化

「BLMに関して重要な点のひとつは、それがスローガンになったことです。これは本当に大事なこと」

マーカス・ガーベイ(ジャマイカ出身の黒人運動指導者)からブラックパンサー党員に至るまで、あらゆる人々を記録してきたドキュメンタリー映画監督のスタンリー・ネルソン・ジュニアは、私に運動におけるスローガンの価値について語るなかでこう教えてくれた。「『ブラック・ライヴズ・マター』のサインを掲げる白人をどれだけ見かけます? ひざまずくことや拳を掲げることがシンボルになったのと同じですよ」


6月にニューヨークシティで行われた、兄ジョージの追悼式典に出席するテレンス・フロイド。(Photo by Anthony Geathers for Rolling Stone)

市民はまた、遅ればせながら、警察による人種差別と暴力の現実を認識しつつある。とりわけ、スマートフォンがそれらの証拠を捉え、ソーシャルメディア上で話題になることによってだ。6月10日に行われたギャラップの世論調査に応じた人々の19%は、「人種関係や人種差別」がアメリカの最重要課題であると答えたが、1カ月前にはその数値も4%にすぎなかった。またこれは、(キング牧師が暗殺され、反人種差別運動が激化した)1968年以来、調査において最も高い数値となった。

6月2日のモンマス大学による調査によれば、「アメリカ人の大部分(57%)は、警官が困難な、あるいは危険な状況に陥ったとき」、それが黒人の個人に対する場合だと特に「過度な武力行使を行いがちだと回答した」といい、「対して、警察が同様のタイプで、被疑者が黒人でも白人でも過度な武力行使に訴える可能性は同じくらいだろうと回答したのは3分の1(33%)だった」という。これを2016年の夏、ルイジアナ州バトンルージュのふたりの警官がアルトン・スターリングを射殺したときの同じ調査と比較してみよう。回答者のうち、黒人の個人のほうが他の人々よりも過度な武力行使に遭いやすいとしたのはたったの34%だったのだ。2014年、ニューヨーク市警の警察官がエリック・ガーナーの首を絞めて殺害したときも同様だ。当時、過度な武力行使に人種差別的な傾向があると答えたのはほんの33%、そのうえ58%が武力を用いる際に黒人も平等に扱っていると答えていたのだ。

Translated by imdkm

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