DENIMSが語る、自分だけの「色」や「クセ」を活かす方法

好みが偏ったインプットと柔軟なアウトプット

─先ほど映画の話が出ましたが、おかゆさんは自粛期間中にどんな作品を観たんですか?

オカユ:なんだったっけ……あ、『ホステル』や『グリーン・インフェルノ』とかです(笑)。

─イーライ・ロス! 最高の監督ですよね(笑)。カマチューさんは?

カマチュー:僕は『アイリッシュマン』を観ました。そこから一時期、マーティン・スコセッシ監督にハマって、色々観ましたね。『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』や『タクシードライバー』はずっと好きだったんですけど、それ以外のスコセッシ作品をちゃんと観ていなかったので、この機会にたくさん観ました。中でも『グッドフェローズ』がとても良かったですね。なんだかギャング映画ばかりだな(笑)。

─おかゆさんはホラー映画で、カマチューさんはギャング映画。

カマチュー:(笑)。僕は『ジョーカー』がめちゃめちゃ好きなんですけど、あの作品はスコセッシの『タクシードライバー』や『キング・オブ・コメディ』をうまくサンプリングしているというか。デニーロが『ジョーカー』で司会者をやっていて、『キングコメディ』や『タクシードライバー』ではジョーカーのような役を演じている。そういうリンクの仕方がヒップホップっぽくて面白かったです。

─そういうヒップホップ的なサンプリング感覚は、DENIMSの音楽にもありますか?

カマチュー:サンプリングの雰囲気にはとても憧れるし、ヒップホップもずっと好きだから「やりたいな」とは思うんですけど、バンドでそれをやろうとしても、どうしてもあのノリって出せなくて。何回か試したことはあるんですけど、出来ひんからこそそこをバンドサウンドでどうするか?というところを楽しんでいますね。

例えば今作の「Crush」では、ギターを敢えてペラッペラの音にすることでサンプリングっぽさを出したり、フレーズや弾き方でもサンプリングっぽさを意識したりしています。でも、それでアンサンブルを作ってもやっぱりバンドらしくなっていくんですよ。思っていたのとはちょっと違ってズレがあるんですけど、それがバンドでやっている良さでもあるのかなと。

─最初に話してくださった、DENIMSならではの「色」や「クセ」がそこに宿る気がしますね。この曲は、フレーズの抜き差しもヒップホップっぽいなと思いました。

おかゆ:「ここでギターが抜けて」「ここはベースが前に出て」「ここはみんなでブレイクして」みたいなことは、プリプロダクションの段階ではなくアンサンブルの段階で結構決まりました。「ここはそうやんな」みたいな意思疎通が、最初から出来ていたような気がしますね。

カマチュー:結構パパッと出来たもんな。

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