甲斐バンドの70年代・80年代 新しい時代を切り開いた軌跡

安奈 [Live] / 甲斐バンド

この話は来週のテーマにもなるんですが、この「THE BIG GIG」は、1983年8月7日に新宿の都有五号地、今の東京都庁がある一角で行われた甲斐バンド3回目の野外ライブですね。あそこで2万人くらい集まってこういう一夜を過ごしたということを、小池百合子都知事はご存知ないでしょうね(笑)。この音源は、2019年に発売のデビュー45周年のライブベストアルバム『サーカス&サーカス2019』にも収録されております。



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」、甲斐バンド栄光の軌跡Part2。1970~1980年代にかけての新しい時代を切り開いた栄光のロックバンド・甲斐バンドの12年間を辿っております。今週は1977~1979年までお話しました。今流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

1970年代から1980年代の変わり目というのは、本当にいろいろなことがありました。1人のアーティストやバンドのコンサートが象徴していることで言うと、この甲斐バンドの1979年と1980年の12月に2日間ずつ行われた武道館公演ですね。ロックバンドがメジャーになっていく瞬間と、時代が変わっていくんだということの記録として、今でも鮮明に思い出すことができます。1979年の武道館の「100万$ナイト」では、甲斐さんが「1979年のドラマは全て終わりました。俺たちは1980年代に行きます」と、歌い始めた。その1年後、1980年12月の武道館での「100万$ナイト」、この日はジョン・レノンが殺された日だったんですね。甲斐さんは、集まってくれた人たちへの感謝を口にしながら、最後に「逝ってしまったジョン・レノンのために」と言って歌いました。1979年12月と1980年12月、それぞれの「100万$ナイト」は時代の変わり目を物語っていました。

先週も今週もRCサクセションの名前が出てきていません。RCサクセションのファンはたくさんいらっしゃるでしょうし、日本のロックバンドの歴史で言うとRCサクセションは欠かせない存在です。はっぴいえんどからBOØWYの間にRCサクセションが抜けてるよ、とつっこまれる気がしているんですが、実はその頃RCサクセションはまだ見えてなかったんですよ。渋谷・屋根裏で爆発寸前ライブを繰り広げるようになったのが1978年の終わり。チャボさんが加入して5人体制になるのがこの頃。1979年12月は武道館ラッシュがあって、その中の1組Charさんが武道館ライブをやった時に、まだどうなるか分からないRCサクセションがゲストで呼ばれていました。当時のバンドシーンの最前線は甲斐バンドだった、と声を大にしながらまた来週。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

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