AK-69が語るヒップホップの響かせ方 ラップと歌の二刀流で続けてきた者の強み

ー作品の中に今お話いただいたストーリーがあるからこそ、1曲目(「Checkered flag」)の<オメーの成功でヒトの人生変えてみな>っていうフレーズに迫力を感じます。

音楽ができていることのありがたみを常日頃感じますし、自分がどれだけ崇高な仕事をしてるかっていう自覚が、今言われたワンフレーズには凄く乗っています。昆虫ですら羽を鳴らしてメスをおびき寄せるし、音楽ってほんとに動物の根源みたいなものじゃないですか。音を奏でることで誰かの勇気や生きる力になるっていうのは、ものすごいことだと思うんです。俺はそういう仕事をやってきたことに凄く誇りを感じるし、責任や使命も感じている。だから25周年を迎えても、これだけ新鮮な気持ちで戦えていて、これからも走ってやるぞって思えているんです。

ーこんなご時世ですが、『The Race』はライブを想定して作ったアルバムであるような感触を受けました。最後に今後のライブについて聞かせていただけますか。

いつもより低いキーでラップしている曲が多いので、実はライブではどうしようかなって気持ちもあるんですけど(笑)。大きい会場ですごい演出をかけたライブを思い浮かべて作ったので、そう感じてもらえるのはうれしいです。ライブに関しては、この『The Race』の世界だけで完結するセットでやりたいと思って作っていましたね。

ー何故?

今回の曲は過去の曲と相見えなくてもいいやって思っています。過去の曲とちゃんとクロスできる曲調って考えると、いつものAKっぽさも入れていかなきゃいけなくなるんですよね。でも、先程も言った通り今回は予定調和のものを必要としていなかったので、割り切って総数32分ぐらいで終わっちゃうアルバムにしようと思っていました。下手したらフェスの持ち時間でもできちゃう時間ですけど、今って3バース目とかはほとんど歌わないんですよ。ヒップホップってすぐ切っちゃうんで、言いたいこと言えちゃったら別に1バースで終わっちゃってもいいやっていう、そういう潔さはありました。

ーなるほど。

既に“あんたたちは頭おかしいの?”って思われるようなライブを思いついちゃっていて、みんなが驚くようなセットを水面下で進めているので楽しみにしていてほしいです。

ーまたやばいものを企画しているんですね。

それだけの労力を今はかけるべきじゃないんじゃない? って考えるのが妥当なんですけど、そうじゃないんですよね。うちの全社会議でも檄を飛ばしたんですけど、やっぱり俺たちがワクワクすることだったり、これやったらやばいねって思うビジョンをそのまま形にする。その労力を惜しまないことこそがエンターテイメントだから。ゲームチェンジする力を持った者っていうのは、みんなが奮い立つぐらいやべえものを作らないと埋もれちゃうと思うんですよ。今回はそれを表現する上ではもってこいの“レース”っていうコンセプトがあったので、やりがいがあるライブになるなって、今からワクワクしています。



<リリース情報>



AK-69
最新アルバム『The Race』

発売日:2021年6月9日(水)
【通常盤(CDのみ)】価格:2970円(税込)
初回盤(CD+DVD):価格:4070円(税込)
=CD収録内容=
1. Checkered flag
2. Pit Road feat. ANARCHY
3. You can’t tell me nothing
4. Racin’ feat. ちゃんみな
5. It’s not a game
6. Thirsty feat. RIEHATA
7. PPAP
8. I’m the shit feat. ellow Bucks
9. Next to you feat. Bleecker Chrome
10. Victory Lap feat. SALU

=初回盤DVD収録内容=
I’m the shit feat. ellow Bucks (MV)
LIVE : live (MV)
B-Boy Stance feat. IO (MV)  
もしよければ (MV) 
Ha? (MV)
Making Movie “「I’m the shit feat. ellow Bucks」MV”
Making Movie “Visual Shooting”

Official HP:https://ak-69.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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