黒人女性の「死」は白人女性に比べて軽視されている 遺族が警察を提訴 米

血まみれのシーツ、中身のわからない錠剤

ブリッジポート警察はローリングストーン誌のコメント取材に返答しなかったが、NBCコネチカット支局に次のような声明を発表した。「2021年12月12日、ブリッジポート緊急指令センターは、不慮の死に関する救助要請の通報を受けました。警察が駆けつけると、(スミス-フィールズさんが)亡くなっていたことが確認されました。今回の事件はブリッジポート警察署刑事課が現在捜査を行っています。スミス-フィールズさんの死因や死亡過程については検視局の最終報告を待っているところです。ブリッジポート警察署は、ローレン・スミス-フィールズさんのご遺族とご友人に心からお悔やみを申し上げます」

報告書の記述によれば、スミス-フィールズさんと男性は映画観賞を続け、テキーラを1瓶開けた。その頃には彼女はカウチでうとうとしていた。男性は彼女を寝室へ運び、そこで一緒に眠ったという。男性は午前3時にトイレに立ったが、その時彼女はいびきをかいていたそうだ。午前6時30分、男性の話では彼女は右向きに横たわり、右の鼻から血が出ていたという。彼女が息をしていなかったので、男性は緊急電話をかけた。

警察の到着後、スミス-フィールズさんの大家が連絡を受けたが、大家は家族の連絡先を知らなかった。それから数日後、家族からの再三の電話や携帯メールに返事がないので母親シャンテルさんが様子を見に娘のアパートを訪ね、そこで初めて大家が残したメモを見つけた。メモには「ローレンをお探しでしたら、こちらの番号にご連絡ください」と書かれていた。母親が娘の死を知ったのはその時だった。

スミス-フィールズさんを生前最後に見たのはラファウンテン氏であるにも関わらず、報告書には警察官が彼を拘束して尋問したという記述はどこにもない。兄のジェッターさんは記者会見で、警察からは「善良」そうに見えたから尋問に呼ばなかったと言われた、とローリングストーン誌に語った。警察は報告書に、男性が「取り乱していた」と記述している。

報告書によれば、警察官は12月12日にスミス-フィールズさんの携帯電話、現金1340ドル、鍵、パスポートを押収した。彼女の葬儀から3日後の12月29日、遺族がアパートを整理したところ、ゴミ箱の中に精液のついた使用済みコンドームがあった他、潤滑剤、血まみれのシーツ、中身のわからない錠剤が見つかった。

遺族はスミス-フィーリズさんが死亡した後のブリッジポート警察の対応やプロ意識についても苦情を申し立てている。

12月13日、スミス-フィールズさんの死を知った家族はクローニン刑事に電話をかけた。刑事は30分で向かうと言った。1時間以上待たされた後、家族は再び電話をかけたが、もうかけてくるなと言われたそうだ。「警察の口調には腹が立ちました」と母親のシャンテルさん。「もう電話してくるなと言われて、電話を突然切られたんです。クローニン刑事は辞めさせるべきです」

Translated by Akiko Kato

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