THE BAWDIES、ツアーファイナルで描いた笑顔のロックンロール

そして、『Section#11』のツアーを完走できなかったから、この曲で終わりたいと同アルバムからのリード・トラックだった、とびきりポップな「SKIPPIN’ STONES」で観客を踊らせ、本編を締めくくったTHE BAWDIESがアンコールに選んだのが、メンバー全員で重ねるハーモニーが聴きどころのバラード「END OF THE SUMMER」。

夏の終わりを惜しみつつ、次にやってくる季節に胸を躍らせるというこの曲を、「これからやって来る新しい光に目を向けたほうが人生はポジティブになる」という思いを込めて演奏したいと語ったROYは、「ケータイを灯してもらってもいいですか? 光を感じながら、ともに進んでいきたいと思います」とリクエスト。それに応え、観客全員が灯したケータイの光がどれだけ美しかったのかは、「もうダメだよ、そんなの! いろいろ大変なことはあるけど、マジで今、幸せです!」と思わず感極まって声を上げたJIMの言葉から推して知るべし。

「コロナ禍に限らず、これからも前を向けないこととか、上を向けないこととかあるかもしれない。そんな時こそ笑いながら転がりつづけている我々を見て欲しい。(ライブに来てもらえれば)笑顔にして帰します」(ROY)

どんな時でも光や希望を届けることが自分達の使命と考えるTHE BAWDIESだ。曲が持つメッセージを考えれば、『BLAST OFF!!』のラスト・ナンバーである「END OF THE SUMMER」ほど、同アルバムのツアー・ファイナルを飾るにふさわしい曲はなかったと思う。しかし、THE BAWDIESは自他ともに認めるロックンロール・バンドだ。


MARCY photo by 山川哲矢

「最後は笑顔で終わりたい!」(ROY)

やっぱり、そうではなきゃ。

「また会う時のためのパワーをみなさんに注入したい。最後は大きな打ち上げ花火が必要です。跳べと言ったら、みなさん、打ち上がっていただけますか!?」(ROY)

大団円はファンキーなロックンロール・ナンバー「JUST BE COOL」で締めくくった。ROYが観客を鼓舞するように今日イチのロング・シャウトをキメると、跳ねるビートに合わせ、観客がジャンプ!

「笑顔にして帰します」とROYが言ったように、きっと全員が笑顔だったに違いない。


photo by 山川哲矢

THE BAWDIESが全力で表現するロックンロールとポジティブなバイブスにシビれた2時間。開演前に流れていたビートルズのカバー特集なんて趣のBGMから楽しかったことを最後につけ加えておきたい。

Written by 山口智男



<公演情報>

THE BAWDIES
「BLAST OFF! TOUR 2021-2022」

2022年1月30日(日)東京・Zepp DiverCity TOKYO
1. YA! YA!
2. OH NO!
3. BLUES GOD
4. SUN AFTER THE RAIN
5. I DON’T WANNA
6. LOOKER SUGAR
7. KICKS!
8. IT’S TOO LATE
9. RUN AROUND
10. WHY WHEN LOVE IS GONE
11. YES OR NO
12. ROLLER COASTER
13. HOT DOG
14. DO IT
15. RAINY DAY
16. LET’S GO BACK
17. T.Y.I.A.
18. SKIPPIN’ STONES
EN.1 END OF THE SUMMER
EN2. JUST BE COOL

THE BAWDIES 公式HP:http://www.thebawdies.com/

Rolling Stone Japan 編集部

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